こんにちは、ヒデです。
今回は、三菱電機の天井カセット形1方向エアコン「MLZ-RX405AS」を分解洗浄した現場をご紹介します。
天井埋込形のエアコンは、壁掛けエアコンとは部品の配置が違います。
特に1方向タイプは、熱交換器の奥にラインフローファンが収まっている機種もあり、ファンの取り外し方が分かりにくいことがあります。
「固定ネジはどこにあるのか」「ファンを取り出すにはどうすればいいのか」「熱交換器を動かしても大丈夫なのか」。こうした部分は、写真があると理解しやすいですよね。
私は清掃業を25年以上続けていますが、エアコンの分解は、経験を積みながら部品の固定方法や組み付けられている順番を少しずつ学んできました。
今回の機種で特に苦労したのは、熱交換器を斜めに下げて、ファンを取り出すためのスペースを確保する工程です。
そこでこの記事では、実際の現場で撮影した写真を使って、部品の位置や取り外しの流れ、作業中に注意したポイントを詳しく紹介します。
三菱の天カセ1方向を分解する前に
最初に、今回作業したエアコンの型番と内部の部品について紹介します。
天カセ1方向といっても、メーカーや型番によってファンの配置、ドレンパンの形状、電装部品の位置などが異なります。
そのため、分解する前に機種を特定し、どの部品がどこに取り付けられているのかを確認することが大切です。
今回の機種はMLZ-RX405AS
今回クリーニングしたのは、三菱電機の天井カセット形1方向エアコン「MLZ-RX405AS」です。
一般に天カセと呼ばれていますが、こちらは店舗などで使用される業務用パッケージエアコンではなく、住宅用のハウジングエアコンになります。
メーカーの製品情報では2015年4月発売、2017年生産終了の機種です。

今回分解したMLZ-RX405ASの型番
写真は本体に貼られている型番ラベルです。
「MLZ-RX405AS」と記載されていることが確認できます。
エアコンクリーニングでは、同じメーカーの似た形状でも、分解方法が違うことがあります。
例えば、外観が似ていてもファンモーターの固定位置や熱交換器の支持方法が異なれば、同じ順番では取り外せません。
現場で迷ったときに型番が分かっていれば、取扱説明書や技術資料を探しやすくなります。
今回の製品情報は、三菱電機の公式製品情報「MLZ-RX405AS」からも確認できます。
主要部品の名前と位置を確認
まずは、外側から確認できる部品について見ていきます。
天井埋込形エアコンでは、天井から見えている外装部分を「化粧パネル」、吸込口を開閉する部分を「吸込グリル」と呼びます。
壁掛けエアコンではフロントパネルという言葉も使われますが、今回はメーカーの表記に合わせて、できるだけ化粧パネルと吸込グリルを使い分けます。

吸込グリルを開いた状態
写真では吸込グリルを開き、青いエアフィルターが見えています。
分解作業では、こうした外装部分から順に内部へアクセスしていきます。ただし、化粧パネルは固定ネジだけでなく、ツメや配線で本体とつながっていることもあるため、無理に引っ張らないように注意が必要です。

ちなみに今回のこの機種は化粧パネルに配線はつながっていなかったです。
続いて、今回登場する主な部品の名称を確認しておきましょう。
| 部品名 | 主な役割 |
|---|---|
| 化粧パネル | 天井に見えている外装部分 |
| 吸込グリル | 室内の空気を取り込む開口部のカバー |
| 電装ボックス | 制御基板や配線などを収める部分 |
| ドレンパン | 熱交換器で発生した結露水を受ける部品 |
| ドレンポンプ | たまった結露水を排水するためのポンプ |
| 吹出口ユニット | 室内に風を送り出す吹出口周辺の部品 |
| 熱交換器 | 冷媒と室内空気の間で熱をやり取りする部分 |
| ラインフローファン | 室内の空気を循環させる円筒状のファン |
なお、「吹出口ユニット」は今回の記事で分かりやすく説明するために使っている呼び方で、メーカーの正式な補修部品名称とは限りません。
この記事では、同じ部分を指す場合に名称を統一して紹介します。
分解前に確認しておくこと
天井埋込形エアコンは、外装を開けると電装ボックス、配線、ドレンポンプ、熱交換器などが比較的近い位置に収まっています。
そのため、ネジを外すことだけに意識が向くと、配線の引っ張りや部品の落下を見落としてしまうことがあります。
分解前に大切なのは、運転状態の確認と作業範囲の判断です。
冷暖房の効き、風向フラップの動き、異音、水漏れの有無などを確認し、既存の不具合があれば作業前の状態として把握しておきます。
そして、内部部品を扱う前にはエアコンの電源を確実に遮断します。
リモコンで停止させるだけでは通電部分が残るため、対象機器のブレーカーを特定し、無電圧を確認することが重要です。
特に電装ボックスを取り外す場合、コネクターやアース線、配線の取り回しを写真に残しておくと復旧時の確認に役立ちます。

制御基板と配線の接続状態
こちらは電装ボックス内部の写真です。
複数のコネクターや配線が接続されていることが分かります。
接続する位置や配線の通り道を間違えると、正常に動作しない原因になることもあります。
ネジについても同じです。
長さや形状が似ていても、取り付け位置が異なるものがあります。
取り外した部品を置く場所を用意し、ネジを種類別に保管しておくと、組み立て時に迷いにくくなります。
私もエアコンの分解では、外した部品を適当に重ねず、できるだけ位置関係が分かるように置くことを意識しています。

分解・洗浄に使う道具については、別記事のプロが使うエアコンクリーニングの道具一式でも写真付きで紹介しています。
熱交換器と冷媒配管の注意点
今回の分解で最も気を使ったのが、熱交換器を斜めに下げる工程です。
熱交換器は、銅製の冷媒配管で冷媒回路につながっています。
配管はある程度曲がった形状で設置されていますが、自由に動かせる部品ではありません。
無理に動かしてしまうと、配管の曲がり部分や接合部に負担がかかり、冷媒漏れにつながる可能性があります。
特に注意したいのが、熱交換器を下げるときに配管が突っ張ったり、ねじれたりする状態です。
熱交換器を無理に傾けない
冷媒配管が引っ張られる、銅管が変形する、固定部分に大きな力がかかるといった場合は、作業を進めるべきではありません。
配管に余裕があるように見えても、どこまで動かせるかを見た目だけで判断することはできません。
メーカー指定の方法が確認できない状態で、熱交換器を大きく動かすことには危険があります。
今回の現場では、熱交換器を斜めに下げた際に、配管が強く突っ張る感覚はありませんでした。
また、組み立て後の試運転では冷房が正常に効いていました。ただし、正常に冷えることだけで微量な冷媒漏れがないと断定することはできません。
こうした点も含めて、分解作業では「取り外せるかどうか」だけでなく、「元の状態へ問題なく戻せるかどうか」が重要だと考えています。
三菱の天カセ1方向の分解洗浄手順
ここからは、実際に撮影した写真を使って分解の様子を紹介します。
今回の機種では、電装ボックスやドレンパン、吹出口ユニットなどを取り外したあと、熱交換器を斜めに下げてファンの取り出しスペースを確保しました。
特に固定ネジの位置と、熱交換器の周辺で干渉する金具に注目してご覧ください。
なお、写真は主に取り外し前後の状態を記録したものです。
すべてのネジやコネクターの操作を撮影したものではないため、写真にない工程について推測で手順を補うことはしていません。
吸込グリルと化粧パネルを外す
最初は吸込グリルとエアフィルターです。
先ほどの写真のように吸込グリルを開くと、フィルターや内部の一部が見えるようになります。
そこから化粧パネルを取り外し、本体の内部にアクセスしていきます。
年数が経過した樹脂部品は、ツメや軸の部分が破損しやすくなっている場合もあります。
外れないときは力任せに動かさず、まだ固定されている部分がないかを確認します。
今回、取り外したパネル周辺には、黒い汚れや茶色い汚れが付着していました。

パネル裏側と吹出口ユニットの洗浄前
普段は見えない部分ですが、分解すると汚れの状態がよく分かりますね。
吹出口周辺は風が通る場所なので、表面だけでなく、内側の汚れも確認しておきたい部分です。
電装ボックスとドレンパン
続いて、電装ボックスやドレンポンプ、ドレンパンなどの部品を取り外した状態を紹介します。
ドレンパンは冷房運転で発生した結露水を受ける部品で、ドレンポンプはその水を排出する役割があります。
これらの部品を取り外す際は、配線や排水ホースの接続部分に注意が必要です。
特にドレンポンプ周辺では、残っている水がこぼれたり、ホースに無理な力がかかったりする可能性があります。
電装ボックスについても、取り外す前に配線の位置を確認し、復旧できる状態にしておくことが大切です。

取り外した電装部品とネジ類
写真のように、取り外した部品やネジを養生シートの上に並べています。
細かいネジ類は紛失しやすいので、部品ごとに分けて保管しておくと安心です。
そして、電装ボックスやドレンパンなどを取り外したあとの状態がこちらです。

電装部品・ドレンパンなどを取り外した状態
写真左側が電装ボックスのあった場所、右側がドレンポンプのあった場所です。
ここまで部品を取り外すと、熱交換器や吹出口ユニットの位置関係が見えやすくなります。
今回の目的は、さらに奥にあるラインフローファンを取り外すこと。
そのため、次は吹出口ユニット周辺を確認していきます。
吹出口ユニットの固定ネジ
ファンを取り外すためには、手前側にある吹出口ユニットが作業の妨げになります。
こちらは風を室内に送り出すための部分で、内部に風向きを調整する羽根などが組み込まれています。

吹出口ユニットの取付位置
赤枠で囲んだ部分が吹出口ユニットです。
この部品は熱交換器や周囲の金具と近い位置に取り付けられているため、どこで固定されているのかを確認する必要がありました。
次の写真は、吹出口ユニットの反対側にある固定ネジです。

吹出口ユニットの固定ネジ
写真の赤丸部分が固定ネジの位置になります。
さらに反対側では、熱交換器と吹出口ユニットを共締めしているネジがありました。

熱交換器と吹出口ユニットの共締めネジ
このように、一つのネジが複数の部品の固定に関わっている場合があります。
そのため、ネジを取り外すときは、そのネジが何を支えているのかを確認しておくことが大切です。
共締め部分を外すことで、想定していなかった部品が動く場合もあります。
片方の部品だけに注目するのではなく、周囲とのつながりを見ておく必要があります。
◆ヒデのワンポイントアドバイス

分解していて部品が外れないときは、まだネジが残っているのか、別の部品が干渉しているのかを確認しています。力任せに引っ張るよりも、固定されている場所を一つずつ見ていく方が、部品を傷めずに作業を進めやすいですよ。
熱交換器の固定ネジを確認
吹出口ユニット周辺を確認したら、次は熱交換器の固定部分です。
今回の機種では、熱交換器の周囲に複数の固定箇所がありました。
まず、電装ボックス側にある固定ネジの位置を紹介します。

電装ボックス側の熱交換器の固定ネジ2か所
赤丸で示した2か所が固定ネジです。
熱交換器は重量があるうえに冷媒配管につながっているため、固定部分を外すときは部品が急に動かないように注意する必要があります。
また、反対側にも固定ネジがあります。

熱交換器側面の固定ネジ
配管の近くにあるため、周囲の銅管を傷つけないよう慎重に扱う必要があります。
ネジの位置が分かっても、すべての固定部分を外せば自由に動かしてよいわけではありません。
熱交換器の支持状態や配管への負荷を確認することが前提です。
熱交換器に干渉する金具
今回、実際に分解していて苦労したのが、熱交換器の横にある金具でした。
熱交換器を斜めに下げようとしても、右側の金具が干渉するため、必要なスペースを確保できませんでした。
そのときの写真がこちらです。

熱交換器の動きを妨げる金具
赤い矢印で示した部分が、今回の作業で干渉していた金具です。
この金具がある状態では、熱交換器を十分に動かせず、奥にあるファンを取り出すスペースが確保できませんでした。
そこで今回は、金具の固定状態を確認したうえで取り外し、熱交換器を下げられる状態にしました。
この工程では、部品同士の干渉だけでなく、配管にかかる力も注意して見る必要があります。
熱交換器を斜めに下げる
干渉していた金具を取り外したことで、今回の現場では熱交換器を斜めに下げるスペースが確保できました。
熱交換器の奥にはラインフローファンが収まっているため、そのままではファンを取り出しにくい構造です。
熱交換器の位置を変えた状態が、次の写真になります。

熱交換器を斜めに下げた状態
写真の手前にある銀色の部分が熱交換器、奥に見える黒い円筒状の部品がラインフローファンです。
この位置関係を見ると、熱交換器がファンの取り出しスペースをふさいでいたことが分かります。
反対側から撮影した写真もあります。

配管側から見た熱交換器
配管側から見ると、熱交換器の端に銅管がつながっていることが分かりますね。
今回の作業では、配管が突っ張るような感覚はありませんでした。しかし、これは今回の現場での状態であり、別の機種でも同じ角度まで下げられるという意味ではありません。
熱交換器を動かせる角度や距離を、写真だけで判断しないことが重要です。
配管の状態、固定方法、設置スペースなどによって負荷のかかり方は変わります。
無理に角度をつければ、銅管の変形や冷媒漏れにつながるおそれがあります。
ワイヤーで保持した作業記録
今回の現場では、熱交換器を斜めに下げた状態でファンを取り外すため、ワイヤーを使用しました。
用意したのは、両端が輪になっているコーティングワイヤーです。

使用した両端ループ付きワイヤー
使用した商品は、ニッサチェインの鉄コーティングカットワイヤーY-63です。
商品表示では長さ545mm、参考使用荷重50kgとなっています。ただし、エアコンの熱交換器を保持するための専用品ではありません。
当初は2本使用するつもりでしたが、今回の作業では1本で位置を保持できたため、その状態でファンの取り外しを行いました。
実際にワイヤーを掛けた部分がこちらです。

ワイヤーを掛けた位置
続いて、別の角度から撮影した写真です。

ワイヤーで保持した熱交換器
この状態では、熱交換器を斜めに下げることでファンを取り出す空間を確保しています。
全体を見ると、次のような状態になります。

熱交換器を斜めに保持した状態
熱交換器が斜めになり、奥側のスペースが見えるようになっています。
ただし、ここで注意していただきたいことがあります。
ワイヤー1本での保持を推奨するものではありません
今回の写真は、実際に行った作業を記録したものです。
メーカー指定の支持方法ではなく、ワイヤーの参考使用荷重だけで安全性を判断することもできません。
熱交換器の重量、支持箇所の強度、荷重の方向、落下の危険性、冷媒配管への負担などを十分に考慮する必要があります。
また、今回は1本で位置を保持できましたが、1本で安全に支持できることを確認したわけではありません。
同じ方法をそのまま再現することは避けてください。
分解方法を紹介する記事では、実際に使った道具だけでなく、その方法の限界も伝えることが大切だと考えています。
特に熱交換器のように冷媒配管につながる部品は、支持方法を誤ると落下や配管損傷につながる可能性があります。
ファンをモーターごと外す
熱交換器を斜めに下げてスペースを確保したあと、ラインフローファンを取り外しました。
今回の機種では、ファンとモーターを分離して取り出すのではなく、モーターと一体のまま取り外す方法で作業しました。
こちらがファンモーター側の固定ネジです。

ファンモーター側の固定ネジ
写真の赤丸で示した2か所が、モーター側の固定ネジです。
なお、ファンを取り外す際には、ネジだけでなく配線やモーター側の取付部分、反対側の支持部分なども確認する必要があります。
固定されている部分が残ったまま引っ張ると、樹脂部品やモーター軸などを傷める可能性があります。
私が今回モーターごと取り外したのは、その方が作業しやすかったためです。
ただし、ファンとモーターを一体で取り出せるかどうかは、機種や周囲のスペースによって異なります。
また、モーターの配線を引っ張ってしまわないことも重要です。
ファンが外れる方向だけでなく、配線がどこを通っているかまで確認する必要があります。
ファンと内部の汚れを確認
ファンを取り外してみると、羽根の部分にかなりのホコリが付着していました。
こちらが洗浄前のラインフローファンです。

洗浄前のラインフローファン
羽根の一枚一枚に汚れがたまっているのが分かります。
ラインフローファンは細い羽根が何枚も並んでいる構造なので、ホコリが蓄積すると羽根の形が分かりにくくなるほど汚れることがあります。
こうした汚れは、ファンを本体に取り付けたままでは確認しにくい部分もあります。
取り外すことで、羽根の裏側や端の部分など、普段は見えにくいところも確認しやすくなりました。
また、ファン以外の内部にも黒い汚れが見られました。

エアコン内部に蓄積した汚れ
熱交換器の内側にも汚れが付着しています。
さらに、吹出口ユニットの裏側にも汚れがありました。

吹出口ユニットに付着した汚れ
写真のように、風が通る部分にも黒い汚れが付着しています。
分解して部品を取り外すことで、こうした場所を直接確認できるのは大きなメリットだと思います。
ただし、分解する範囲が広がるほど、作業時間や復旧時のリスクも増えます。
汚れを落とすことだけでなく、部品を傷めず元の状態に戻すことまで考える必要があります。
取り外した部品を洗浄する
取り外したラインフローファンや吹出口ユニットなどは、それぞれの材質や汚れの状態を確認しながら洗浄しました。
ファンを本体から取り外すと、羽根の奥まで見えるため、汚れが残っていないかを確認しやすくなります。
こちらが洗浄後の写真です。

洗浄後のファンと吹出口ユニット
先ほどの洗浄前の写真と比べると、ファンの羽根の形がはっきり確認できるようになりました。
吹出口ユニットも、汚れが付着していた部分を洗浄しています。
さらに、ドレンパンや風向部品などの樹脂部品も洗浄しました。

洗浄後のドレンパンと風向部品
細かい溝や部品の継ぎ目は汚れが残りやすい部分です。
取り外した状態なら、裏側や端の部分も確認しやすくなります。
ただし、プラスチック製の部品は洗剤との相性によって変色や破損が起こる場合があります。
強い洗剤や高温の洗浄方法を安易に使わないことも大切です。
また、ファンをモーター付きのまま扱う場合、モーターや電気接続部に洗浄液をかけないよう、洗浄対象を明確に分ける必要があります。
三菱電機も、電気部品やファンモーターへの洗浄剤の付着、洗浄剤の残留などについて注意を呼びかけています。(出典:三菱電機「ルームエアコンを安全にお使いいただくために」)
熱交換器の内側を洗浄
ファンを取り外したことで、熱交換器の内側や本体内部も確認しやすくなりました。
熱交換器には細かなアルミフィンが並んでいます。
このフィンは薄く、強く押したり硬い道具を当てたりすると変形しやすいため、洗浄するときには注意が必要です。
また、洗剤や汚水が電装部品へ流れ込まないよう、洗浄範囲と排水経路を確認しておく必要があります。
こちらは洗浄後の熱交換器内部です。

洗浄後の熱交換器内部
別の角度から撮影した写真も紹介します。

熱交換器内部の別角度
熱交換器の内側は、ファンを取り付けた状態では見えにくい場所です。
今回のようにファンを取り外すと、内部の汚れの状態や洗浄後の仕上がりを確認しやすくなります。
次の写真は、熱交換器を斜めに下げた状態で撮影したものです。

熱交換器を斜めに下げた状態
組み立てと試運転を確認
洗浄が終わったら、取り外した部品を元の位置へ戻していきます。
今回のようにファンやモーター、熱交換器周辺まで分解している場合は、組み立て時にも慎重な確認が必要です。
特に注意したいのが、ファンモーターの固定位置と配線の取り回しです。
ファンが正しい位置に収まっていないと、回転時に周囲の部品と接触するおそれがあります。
また、配線がファンに触れていないか、コネクターが正しく接続されているか、取り外したネジが残っていないかなどを確認する必要があります。
ドレンパンやドレンポンプ周辺についても、排水ホースの接続状態や排水経路を確認します。
ドレンパンの取付不良や排水ホースの接続不良は、クリーニング後の水漏れにつながる可能性があります。

水漏れの原因については、別記事のエアコンから水漏れする原因と対処法でも詳しく紹介しています。
今回の現場では、組み立て後に冷房の試運転を行い、正常に冷たい風が出ることを確認できました。
ただし、冷房が正常に効いているだけで、微小な冷媒漏れや排水経路の問題が完全にないと判断できるわけではありません。
冷媒配管に損傷が疑われる場合は、冷媒漏れの検査など、状態に応じた確認が必要です。
◆ヒデのワンポイントアドバイス

私はエアコンクリーニングでは、分解よりも組み立て後の確認が大切だと思っています。どれだけきれいに洗浄できても、異音や水漏れが起きればお客様に迷惑をかけてしまいます。作業後の動作確認までがクリーニングの仕事ですね。
分解で苦労したポイント
今回のMLZ-RX405ASで一番苦労したのは、ファンそのものの取り外しではありません。
熱交換器を斜めに下げるためのスペースを確保することでした。
熱交換器の固定ネジを確認しても、周囲の金具が干渉していると十分に動かせません。
また、金具を外したからといって、配管に負荷をかけずに熱交換器を動かせるとは限りません。
今回の現場では、干渉する金具を取り外したあとに熱交換器を斜めに下げ、ファンをモーターと一体のまま取り出すことができました。
しかし、これは今回の機種と設置状況での結果です。同じ方法がほかの天カセ1方向エアコンでも通用するとは考えていません。
清掃を始めた頃は、部品の組み付け方が分からず、取り外せる範囲で洗浄していたこともありました。
その後、さまざまな機種に触れながら、ネジの位置や部品の固定方法、取り外す順番などを少しずつ勉強してきました。
清掃作業でまず大切なのは、部品がどのように取り付けられていて、どの部分を動かすと何に影響するのかを理解することだと感じています。
ただし、組み付け方が分かることと、安全に分解できることは別です。特に配管や電装部品を扱う場合は、清掃技術だけでは判断できない部分もあります。

実際にエアコンクリーニング後の故障を経験したこともあります。そのときの状況はエアコンクリーニング後に故障した事例で紹介しています。
分解できることを優先するのではなく、機種ごとの危険性や自分が対応できる範囲を見極めることも、現場では大切だと思っています。
三菱の天カセ分解に関するFAQ
Q1. 三菱の天カセ1方向はファンを取り外せますか?
A. 機種によって構造は異なりますが、今回のMLZ-RX405ASでは、ラインフローファンを取り外すことができました。
今回の作業では熱交換器を斜めに下げてスペースを確保し、ファンをモーターと一体のまま取り出しています。ただし、この方法がメーカー指定の分解手順と一致するかは未確認です。ほかの機種でも同じ方法で取り外せるとは限りません。
Q2. ファンはモーターごと取り外した方がいいですか?
A. 今回のMLZ-RX405ASでは、モーターとファンを一体のまま取り外す方が作業しやすいと感じました。
ただし、モーターを一体で取り外す場合も、固定箇所や配線の接続状態を確認する必要があります。機種によってはファンとモーターを別々に取り外す構造もあるため、一体で取り外す方法が常に適しているわけではありません。
Q3. 熱交換器を斜めに下げるとガス漏れしますか?
A. 熱交換器を傾けたからといって必ず冷媒が漏れるわけではありません。しかし、冷媒配管や接合部分に無理な力がかかると、配管の変形や亀裂、冷媒漏れにつながる可能性があります。
何度まで傾けられるという一律の安全基準はありません。今回の作業では配管が突っ張る感覚はありませんでしたが、それだけで損傷がないと断定することはできません。特に配管を引っ張るような動きには注意が必要です。
Q4. ガス漏れしていたらエラーが出ますか?
A. 冷媒が漏れていても、必ずエラーが出るとは限りません。
微量の漏れであれば、運転を続けられる場合もあります。また、冷房が正常に効いていても、冷媒漏れが完全にないことの証明にはなりません。
今回の現場では組み立て後に冷房が正常に効いていましたが、冷媒漏れ検知器などによる漏れ検査の結果ではありません。配管の損傷が疑われる場合は、症状の有無だけで判断しないことが重要です。
Q5. 天カセ1方向は必ずファンを外して洗浄するべきですか?
A. 必ず取り外さなければいけないわけではありません。
ファンを取り外すことで、羽根の裏側や内部の汚れを確認しやすくなるメリットはあります。しかし、分解範囲が広くなるほど、部品の破損や配管への負荷、組み立て不良などのリスクも増えます。
機種の構造や設置状況、汚れの程度、作業範囲を踏まえて判断することが大切です。取り外せることだけを基準に作業を進めないようにしています。
三菱の天カセ1方向分解のまとめ
今回は、三菱電機の天井カセット形1方向エアコン「MLZ-RX405AS」の分解洗浄について、実際の現場写真を使って紹介しました。
今回の作業で特に印象に残ったのは、熱交換器を斜めに下げるためのスペースを確保する工程です。
干渉する金具の位置や固定ネジを確認し、熱交換器を斜めにしたことで、奥にあるラインフローファンをモーターごと取り外すことができました。
最後に、今回の記事でお伝えしたかったポイントをまとめます。
- 三菱の天カセ1方向でも機種によって内部構造は異なる
- 分解前に型番と部品の固定位置を確認する
- MLZ-RX405ASでは吹出口ユニット周辺の固定部分が重要だった
- 今回最も苦労したのは熱交換器を斜めに下げる工程だった
- ファンを取り外すことで内部の汚れを確認しやすくなった
- 冷媒配管への負荷や組み立て後の安全確認を軽視しない
エアコンクリーニングは、洗浄技術だけでなく、部品の固定方法や組み付けられている順番を理解することも大切な仕事です。
ただし、分解できる範囲を広げることが、必ずしも良いクリーニングにつながるわけではありません。
私も長年現場で仕事をしていますが、機種によって構造が違うため、その都度確認しながら作業を進めています。
無理をせず、部品を傷めず、洗浄後も正常に使える状態に戻すこと。
その積み重ねが、お客様からの信頼につながると思っています。

今回の記事が、三菱の天カセ1方向エアコンの分解方法を調べている清掃業者さんにとって、部品の位置や構造を理解する参考になればうれしいです。
