
保険を検討中の人
・ハウスクリーニングで独立開業したけど、保険に入る必要はあるのかな?
・保険に入るなら何がいいの?
・月々の金額はどれくらい?
このような疑問にお答えします。
ハウスクリーニングで独立すると、自分の力で仕事を広げられる一方、事故やトラブルへの責任もすべて自分にかかってきます。
掃除中に家具や家電を壊したり、床や壁を傷つけてしまえば、高額な修繕費や賠償に発展することもあります。
そうしたリスクから事業とお客様を守るために欠かせないのが「請負業者損害賠償保険」です。
実際に私が加入している保険や、どのような場面で役立ったかも紹介しますので、ぜひ参考にして加入を検討してくださいね。

私自身も独立した当初は「本当に保険って必要なのかな?」と考えていました。ですが実際に作業中に物を傷つけてしまい、保険で対応できたことで大きな出費を避けられた経験があります。お客様からの信頼にもつながりますし、安心して仕事に集中できるので、まだの方は保険加入は強くおすすめします。
この記事を読んでわかること
- 損害賠償保険に入ったほうがいいかどうか
- どのようなケースで保険を使ったか
- 保険を使うまでの流れ
- 損害賠償保険の種類と月々の金額
- おすすめの保険会社
ハウスクリーニングで保険の必要性と重要性

『ハウスクリーニングで保険の必要性と重要性』の目次
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現場での事故はどういった時に起こる?
ハウスクリーニングの現場では、日々の作業に細心の注意を払っていても、思わぬ事故が起きてしまうことがあります。
どういったケースかといいますと、
- 物を壊してしまう
- 物を変色させてしまう
- お客様がケガをする
などです。
こうしたトラブルが起こった場合には、当然ながら修理費用や弁償費用を負担しなければなりませんが、その金額は数万円から時には数十万円単位と高額になることも少なくありません。
そのため、独立開業をする際には「自分は大丈夫」と過信せず、開業時から請負業者賠償責任保険などの適切な保険に加入しておくことを強くおすすめします。
保険に加入しておくことで、万が一の事故に備えられるのはもちろんのこと、「しっかり保険に加入している業者」としてお客様にも安心感を持っていただけます。
信頼は新規顧客獲得にもつながりますので、もし自社のホームページや集客サイトを運営している場合は、保険加入済みであることを掲載しておくと、選ばれる理由のひとつになるでしょう。
請負業者賠償責任保険とは
ハウスクリーニング業で必ず検討すべき保険のひとつが、請負業者賠償責任保険です。
この保険は、仕事中に発生した事故によってお客様や第三者に損害を与えた場合、その賠償金を補償してくれる仕組みになっています。
例えば、次のようなケースで役立ちます。
- 家具や壁を不注意で壊してしまった
- 掃除中にお客様や同居人が転倒してケガをした
-
清掃後、設備が正常に動かなくなり、修理や交換が必要になった
こうしたトラブルは「めったにない」と思っていても、実際には業界で頻繁に発生しており、特に開業したばかりの個人事業主にとっては大きな負担になりかねません。
請負業者賠償責任保険に加入しておけば、事故によって発生した修理代や医療費などを保険会社がカバーしてくれるため、経済的なダメージを最小限に抑えることができます。
加えて、保険に入っていることで「何かあってもきちんと対応してくれる業者」とお客様から信頼を得られる効果も期待できます。
契約内容には「補償額の上限(支払限度額)」や「自己負担額(免責)」が設定されています。
支払限度額が低すぎると大きな事故に対応できず、逆に高すぎると保険料が負担になる可能性もあります。
また、免責額が高いと小規模な事故では保険を使えないこともあるため、自分の仕事スタイルや現場のリスクに合わせて最適なプランを選ぶことが大切です。
請負業者賠償責任保険は「事故を防ぐもの」ではありませんが、「起きてしまったときに事業を守る大切な備え」であり、ハウスクリーニング業を続けるうえで欠かせない存在だと言えます
保険を使うまでの流れ
ハウスクリーニングの現場で事故が発生した場合、適切に行動できるかどうかが、その後のお客様からの信頼や事業継続に大きく影響します。
あらかじめ流れを把握しておけば、慌てずスムーズに対応でき、結果として被害を最小限に抑えることができます。
実際の流れは以下のようになります。
- お客様に状況を連絡
- 補修業者の手配をする
- 保険会社に保険を使う旨を伝え、書類を送ってもらう
- 扉の補修に立ち会う
- 保険会社に補修前と補修後の写真がいるのでスマホで写真を撮る
- 請求金額を振り込む
- 保険会社に送るため、振り込んだ金額のコピーをとる
- 必要書類を保険会社に送る
まず最優先は、安全の確保と被害の拡大防止です。人身事故がないかを確認し、危険が広がらないように現場を整えます。
例えば、水が電気設備にかかった場合はブレーカーを落とす、破損したガラスや家具がある場合は作業エリアを封鎖するといった対応が必要です。
次に、お客様へ状況を迅速かつ誠実に報告します。
事実を隠すのではなく、事故の概要と初期対応の方針を簡潔に伝えることで、信頼関係の維持につながります。
その後、現場の状況を写真や動画でしっかり記録します。
損害箇所だけでなく、対象物の型番や製造年式、事故が起きた位置関係なども残しておくと、補償の妥当性を証明する際に役立ちます。
次に、修理業者へ見積もりを依頼します。
できれば複数社に依頼し、費用が適正かどうかを確認するのが望ましいです。見積もり内容は保険請求の重要な根拠となります。
あわせて保険会社へ連絡を入れ、必要書類を確認します。
一般的に、請求書、作業報告書、現場写真、顧客とのやり取り記録、振込控えなどが必要になります。これらを早めに揃えることで、支払い手続きが円滑に進みます。
修理や精算が完了した後は、領収書や証拠資料を整理し、保険会社に提出します。
支払いが完了するまでには通常数週間かかるため、その間の資金繰りについても備えておくことが大切です。
このように、一連の流れを事前にマニュアル化し、スタッフ全員が同じ対応を取れるようにしておくことが、事故対応のスピードと正確性を高め、信頼を失わないための鍵となります。
損害賠償保険の金額はどれくらい?
開業してから10年になりますが、今までで2回、請負業者賠償責任保険を使いました。

どういったケースかといいますと
・美容室の木の扉をキズつけてしまった
美容室の扉にキズをつけてしまった詳細はこちらの記事をご覧ください
請求額は下記のとおりです。
品番・品名 | 単価 |
木の扉補修工事 | 18000円 |
消費税 | 1440円 |
駐車場代 | 200円 |
合計 | 19640円 |
・レンジフードの整流版をキズつけてしまった
請求額は下記のとおりです。
品番・品名 | 金額 |
整流版補修工事 | 22000円 |
消費税 | 1760円 |
合計 | 23760円 |

両方とも同じ時期にミスをしてしまい、同じ業者さんに補修してもらいました。
合計で43400円の請求でしたので、保険を使いました。
私の保険は免責がないので大丈夫なんですが、前の会社では免責が5万円もついていましたので、5万円以下の修理代金の場合、保険は使えないことになります。
保険を契約するときは、そのあたりも注意しないと損をしますので気を付けてくださいね。
このように、小さな事故でも数万円、大きな事故では百万円単位になることもあります。だからこそ保険に入っているかどうかは、業者にとってもお客様にとっても安心できる大事なポイントになるのです。
おすすめの損害保険
たくさんある損害保険の中から、自分に合ったものを選ぶのは簡単ではありません。
でも、次の3つのポイントを押さえて選ぶと、安心して続けられる契約に出会えます。
1つ目は、『補償範囲が自分の仕事内容に合っているかどうか』です。
一般家庭の掃除が多いなら、家具や家電を壊したときにカバーできるものが必要ですし、工場や病院など高額な設備を扱う仕事が多いなら、それに対応できる補償を選ぶのが安心です。
受託物特約や作業対象物特約といった追加の補償をつけられるかどうかもチェックしておくといいでしょう。
2つ目は、『保険料と補償額のバランス』です。
手厚い補償ほど安心感は増しますが、その分毎月の保険料も上がります。
売上や取引先の内容を踏まえて「このくらいのリスクなら自分でカバーできる」「ここから先は保険で守りたい」と線引きをしておくことが大切です。
3つ目は、『事故が起きたときのサポート体制』です。
保険の内容が良くても、いざという時に連絡がつきにくかったり、対応が遅かったりしては意味がありません。代理店や保険会社の対応力、実績、口コミなども確認して選ぶと安心です。
まとめると「仕事内容に合うこと」「費用と補償のバランス」「サポート体制の安心感」の3つを満たすことが、失敗しない保険選びのポイントです。
保険は単なる支出ではなく、事業を守るための大切な備えになるのです。
おすすめの損害保険を選ぶときの比較イメージ
ハウスクリーニングの仕事に使える保険は、大手の損害保険会社を中心に数多くあります。
それぞれ似ているように見えても、補償範囲や金額設定、サポート体制には違いがあるため、複数社を比べながら検討するのがおすすめです。

以下はあくまで一例ですが、選ぶときの目安として参考になる比較イメージです。
ちなみに私は三井住友海上です。
どう選ぶのが安心?
-
小規模で在宅中心の方
月額2,000〜5,000円程度のプランでも十分カバーできるケースが多いです。家具や家電の破損、床や壁の傷といった典型的なトラブルに備えておくのが安心です。 -
店舗や事務所をよく扱う方
美容室や病院など、高額設備を扱う現場が多い場合は、限度額を高めに設定できる会社を選びましょう。免責金額を調整して、無理のない範囲で加入するのがおすすめです。 -
サポート重視の方
保険会社や代理店によっては、事故対応のスピードや丁寧さに差があります。口コミや実績を確認し、「困ったときにすぐ相談できるか」を基準に選ぶと安心です。 -
まず気軽に試したい方
フリーナンスのように無料で補償が付いてくるサービスを利用してみるのも一つの方法です。最低限の安心を得ながら、本格的な保険と併用する選び方もあります。

フリーナンスについて気になる方は下記の記事を参考にしてくださいね。

ハウスクリーニングの保険を選ぶ際のポイント

『ハウスクリーニングで保険を選ぶ際のポイント』の目次
気になるところに飛んでもいいんだぜ。
信頼を高める保険加入のメリット
ハウスクリーニングの仕事は「人の大切な家やお店に入る」お仕事です。だからこそ、お客様は「もし何かあったとき、ちゃんと対応してくれるのかな?」と不安に思うことがあります。
そんなときに、保険に入っているかどうかは大きな安心材料になります。
たとえば、ホームページや見積書に「請負業者賠償責任保険加入済み」とひとこと書いてあるだけで、お客様の見る目は変わります。
「この業者さんはきちんと備えている」「安心してお願いできそう」と思ってもらいやすくなるのです。特に初めて依頼するお客様にとっては、この安心感が大きな決め手になることもあります。
さらに、取引先によっては保険加入を条件としている場合もあります。法人や大手の管理会社と契約する際には、保険証券の写しを提出してほしいと求められることもあります。保険に入っていないと、その時点でチャンスを逃してしまう可能性があるのです。
また、万が一事故が起きたときに「保険で対応できるので、きちんと修理や補償をします」とすぐに伝えられることも信頼につながります。
お客様からすれば「最後まで責任を持って対応してくれる」と感じられるので、結果的にリピートや口コミ紹介にもつながるでしょう。
つまり保険は、事故が起きたときのためだけでなく、日頃の信頼づくりや新しい仕事の獲得にも役立つ“安心の証”と言えるのです。
高額リスクに備える特別な契約方法
普段は家庭や小規模店舗の清掃が中心でも、ときには工場や病院など、高額な設備がある現場を担当することがあります。
こうした現場では、万が一の事故が起きた場合に数百万円、場合によっては数千万円単位の修理費用が発生することもあり、通常の補償額ではカバーしきれないリスクがあります。
そのような場面で便利なのが「特別契約」や「臨時の補償上乗せ」です。
必要な期間だけ補償額を増やせる仕組みで、大規模案件や高額設備が絡む作業に合わせて柔軟に対応できます。
たとえば、工場で複数台の大型エアコンを洗浄する、病院で高額な医療機器の近くで作業をする、といったケースでは一時的に補償を強化しておくと安心です。
この方法を使えば、通常は無理のない保険料で契約を続けながら、特別な案件だけしっかり備えることができます。
つまり「普段は身の丈に合った保険」「大きな現場では一時的に上乗せ」という形で、費用と安心のバランスをとれるのです。
また、こうした柔軟な契約ができるかどうかは保険会社や代理店によっても違いがあります。
事前に相談しておくことで、いざ大きな仕事が入ったときにすぐ対応できるようになります。
大切なのは「仕事の規模に合わせてリスクも変わる」という意識を持ち、その時々に合った保険を選べる準備をしておくことです。
そうすれば、不安を抱えずに安心して仕事に取り組むことができます。
この記事を書いた人

清掃業歴20年以上、住宅からオフィスまで多様な現場で実績を積んできたヒデです。
42歳で独立し、開業準備から営業・税務・顧客対応まで経験しました。
このブログでは、独立ノウハウや集客術、現場トラブル解決法を一次情報として発信し、同じ道を目指す方への実践的な指針を提供しています。