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清掃業はやめとけと言われる理由が自分にも当てはまるのか不安
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今の職場環境がつらく続けるべきか辞めるべきか判断できない
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清掃業で働くメリットとデメリットの本当のところを知りたい
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辞める場合にどんな手順や選択肢があるのか具体的に知りたい

このような悩みや疑問にお答えします
清掃の仕事に興味があったり、今まさに現場で働いていたりすると、一度は清掃業はやめとけという言葉を目にしたことがあると思います。
清掃業はきついとか、清掃業の給料は安いとか、清掃業は将来性がないなど、ネットで検索するとネガティブな情報がたくさん出てきますよね。
清掃バイトはやめとけと言われたり、ビル清掃はやめとけとか、マンション清掃の仕事はきついと聞かされたりすると、「自分はこのまま続けて大丈夫かな…」と不安になるのは自然なことだと思います。
清掃業で病む人の体験談を読むと、うつになりそうで怖いと感じている方もいるはずです。
実際、清掃の仕事は体力的にもメンタル的にも負担が大きく、清掃業を辞めたいと悩んでいる人が多いのも現実です。
一方で、清掃業のメリットややりがいを感じている人がいるのも事実で、清掃業に向いている人にとっては悪くない選択肢にもなり得ます。
このギャップがあるからこそ、余計に判断が難しいですよね。
この記事では、清掃業はやめとけと言われる理由を、現場で20年以上やってきた私の実体験もまじえながら分かりやすく整理していきます。
そのうえで、今の職場を続けるのか、別の清掃会社に移るのか、清掃業そのものを辞めて転職するのか、あるいはハウスクリーニングで独立するのか、あなたが選べる道を一緒に考えていきます。
私は大手清掃会社で14年間働いたあと、42歳でハウスクリーニング業で独立しました。
きつい現場も、ブラックに近い環境も、それなりに経験してきました。
そのうえで今思うのは、清掃業そのものよりも、どんな会社・どんな働き方を選ぶかで人生は大きく変わるということです。
この記事を読み終えるころには、清掃業は本当にやめとけなのか、自分はどう動くべきかが、今よりかなりスッキリしていると思います。
肩の力を抜いて、気になるところから読んでみてくださいね。
【この記事を読んでわかること】
- 清掃業はやめとけと言われる代表的な理由と現場のリアル
- 今の清掃の仕事を続けるか辞めるか判断するためのチェックポイント
- 清掃業を辞めるときの具体的なステップと注意点
- 転職や独立など清掃業から次のキャリアに進む方法
清掃業はやめとけと言われる理由と現場のリアル
まずは、なぜここまで清掃業はやめとけと言われるのか、その背景と現場のリアルを整理しておきます。
原因を具体的に言葉にしていくことで、自分のしんどさの正体も見えやすくなりますよ。
「自分だけが弱いんじゃないか」と思っていたことが、実は構造的な問題だった、と気づけるだけでも心が少しラクになることがあります。
清掃業はきついと言われる3つの理由
清掃業のイメージとして一番よく出てくるのが、やはり「きつい」という言葉です。
きついと言っても、単に「疲れる」というレベルではなく、体力的・精神的・評価のされ方という複数の側面が重なっている状態のことが多いです。
ここがややこしいところなんですよね。
体力的にきつい現場の現実
まずは体力面。
清掃の仕事は、立ちっぱなし・かがみっぱなし・中腰が当たり前です。
たとえば、トイレ清掃なら便器の内側や床面を磨くために、膝をついたり腰をかがめたりする姿勢が続きます。
浴室清掃ではカビ取りや水アカ落としで、狭い空間のなかでしゃがんだり、天井付近を拭いたりと、全身をフルに使います。
ガラス清掃やワックス作業も、脚立を上り下りしたり、重たいポリッシャーやバキュームを動かしたりと、なかなかの重労働です。
ビルやショッピングモールなどの広い現場だと、1日で何万歩も歩くことも珍しくありません。
若いうちはなとかなるのですが、30代後半、40代と年齢を重ねるにつれて、回復力が追いつかなくなってくる人も多いです。
私が大手清掃会社で店長をしていたときも、繁忙期は毎日のように現場をハシゴして、夜に自分の靴を脱いだ瞬間に足がつりそうになることもよくありました。
脚や腰の痛みをだましだまし働いているスタッフも本当に多かったです。
| 作業内容 | よくある負担箇所 | しんどくなりやすいポイント |
|---|---|---|
| トイレ・水まわり清掃 | 腰・膝・手首 | かがみ姿勢が長く続く、洗剤や水で手荒れ |
| 床洗浄・ワックス | 腰・肩・ふくらはぎ | ポリッシャーやバキュームが重い、広い面積で長時間作業 |
| ガラス・高所清掃 | 腕・首・足 | 上を見上げた姿勢や脚立の上り下りが多い |
| 客室・テナント清掃 | 全身 | 時間内に終わらせるプレッシャーと移動距離の多さ |
時間に追われるプレッシャーのきつさ
次に、精神的なきつさです。
清掃の仕事は、「決まった時間内に仕上げる」ことが非常に重視されます。
開店前の店舗清掃なら「開店時間までに終わっていて当たり前」ですし、オフィス清掃なら「社員が出社するまでに完了しているのが当然」と見られます。
この「時間内に終わらせる」が、現場の状況や人員配置と合っていないと、一気にプレッシャーになります。
新人が多いのに作業時間が変わらない、人手不足なのに仕事量だけ増えていく、といった現場では、常に追い立てられている感覚になりやすいです。
私も店長時代、「あと◯分で終わらせてくれ」と無茶な要求をされることが何度もありました。
現場のスタッフも分刻みで動いているので、ミスがあったときに「なんでこんなところも見落としてるんだ」と言われると、心がガクッと折れます。
これが毎日のように続くと、「今日は何か言われないかな…」と不安になり、仕事に行く前から胃がキリキリしてしまうんですよね。
評価されにくさからくるきつさ
そして見落とされがちなのが、「評価されにくさ」からくるきつさです。
清掃の仕事は、うまくいったときほど目立ちません。
床がピカピカでも、トイレがピカピカでも、それが「普通」として扱われてしまうことが多いです。
逆に、ちょっとした汚れが残っていたり、タイミング悪くゴミが落ちていたりすると、「ちゃんと掃除してるの?」「ここ汚れてるよ」と指摘されます。
つまり、頑張ってもプラスの評価になりにくく、ミスだけが目立ちやすい構造になっているんです。
このバランスの悪さが続くと、「自分は役に立っているのかな」「やってもやっても報われないな」と感じやすくなります。
体力的にきついだけならまだしも、「感謝されにくい」「認められにくい」が重なると、心の消耗度は一気に上がってしまいます。
まとめると、清掃業がきついと言われるのは、「体力的にきつい × 時間に追われる × 評価されにくい」の三重苦になりやすいからなんですよね。
どれか一つだけなら頑張れる人も多いのですが、全部そろってしまうと、かなりタフな環境になります。
清掃業で病む人が増えている背景
ここ数年、清掃業でメンタルを病んでしまう人も増えていると感じます。
私のところにも、「清掃業を辞めたい」「仕事のことを考えると眠れない」「上司の顔を思い出すだけで気持ち悪くなる」といった相談がよく届きます。
あなたも似たような感覚があったら、けっこう危ないサインかもしれません。
メンタルが限界に近づいているサイン
次のような状態が続いている場合は、かなり危険信号だと思ってください。
こういったサインは、「仕事が少し嫌になっている」レベルではなく、心が限界に近づいているサインであることが多いです。
清掃業は、人と接する時間が少ない現場も多く、悩みを一人で抱え込みやすい仕事でもあります。
相談できないまま我慢を続けると、ある日突然プツンと糸が切れてしまうこともあります。
清掃業で病みやすい構造的な要因
清掃業で病む人が増えている背景には、個人の性格だけでなく、業界や現場の構造的な問題も関係しています。
ざっくり整理すると、次の4つです。
- 人手不足で一人あたりの仕事量が多すぎる
- 早朝・深夜・中抜けなどで生活リズムが崩れやすい
- 少人数現場で人間関係がこじれると逃げ場がない
- 頑張っても給料や評価が上がりにくく、将来が見えない
人手不足の現場では、本来3〜4人で回すべき仕事を2人で回していたり、シフトが埋まらず休みたい日に休めなかったりと、一人ひとりの負担が非常に大きくなります。
「新人が入ってきてもすぐ辞めてしまう」という悪循環の現場も多いです。
さらに、清掃業は早朝や深夜の仕事が絡みやすく、生活リズムが崩れがちです。
朝3〜4時起きのシフトが続いたり、昼に一度帰宅して夜また出勤する「中抜けシフト」があると、睡眠時間も細切れになり、常に寝不足・疲労感が当たり前になってしまいます。
そこに人間関係のストレスや給料の不安が重なると、心のキャパを簡単に超えてしまいます。
「自分はメンタルが弱いのかな」と落ち込む人もいますが、私から見れば、むしろそれだけ頑張り続けてきた結果であることがほとんどです。
専門家への相談も視野に入れてほしい
健康やメンタルに関する部分は非常にデリケートな問題です。
気になる症状が続く場合は、このブログだけで判断せず、必ず医療機関や公的な相談窓口などの専門家にも相談してください。
自治体によっては、心の健康相談ダイヤルや、労働に関する無料相談窓口も用意されています。
「病院に行くほどじゃないかも」と迷う方も多いのですが、メンタルの不調は早めに相談した方が軽く済むことが多いです。
逆に、限界まで我慢してしまうと、回復にも時間がかかります。
ここはどうか、自分を大事にしてあげてほしいところです。
給料や将来性への不安が大きい
清掃業は、他の業界と比べると給料が低めと言われることが多いです。
求人票を見ても、正社員で手取り20万円前後、ボーナスも少額、というケースは珍しくありません。
パートやアルバイトの場合、地域の最低賃金に毛が生えた程度という募集もよく見かけます。
給料が低いと何がしんどいのか
給料が低いと、日々の生活の中で次のような不安がつきまといます。
- 一人暮らしならなんとかなるが、家族を養うには心もとない
- 貯金がなかなか増えず、将来の備えができない
- 想定外の出費(家電の買い替え、病気、冠婚葬祭など)があると一気に苦しくなる
- 学び直しや資格取得、独立資金に回すお金が作りづらい
こうしたお金の不安が続くと、「働いても働いても楽にならない」という感覚に陥りやすくなります。
肉体的にはヘトヘトなのに、財布の中身はなかなか増えない。
これは、想像以上にメンタルを削る状況です。
統計データから見る賃金のイメージ
賃金水準は業種や地域、企業規模によって大きく違うので、具体的な数字はここでは出しませんが、全体のイメージをつかむなら、公的な統計データを見てみるのがおすすめです。
たとえば、厚生労働省が公表している賃金構造基本統計調査では、産業別・職種別の賃金実態が毎年まとめられています(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。
清掃業だけの数字がまとまって載っているわけではありませんが、同じ地域・同じ年代の別業種と比較してみると、「自分の給料はだいたいこの辺なんだな」「もう少し上を目指せそうだな」といった全体像はつかみやすくなります。
あくまで参考ですが、一度チェックしてみる価値はあるかなと思います。
私自身が感じていた将来への不安
私自身、会社員時代は店長職までいっても、時給換算すると「これで家族を養っていくのは正直しんどいな…」と感じるレベルでした。
ボーナスも期待できるほどではなく、子どもの教育費や老後の資金まで考えると、頭の中で常に「計算してはため息」という状態でした。
「このまま60歳までここで働き続けたとして、自分の暮らしはどうなっているんだろう」「病気で働けなくなったら一瞬で詰むな…」と考えると、夜に眠れなくなることもありました。
給料の多い少ないは人それぞれですが、将来のイメージがまったく見えない状態は、かなりキツいものがあります。
お金の不安はメンタルにも直結する
この「お金の不安」が続くと、どうしても心に余裕がなくなります。
職場でちょっと嫌なことがあっただけで、「辞めたいけど、辞めたら生活どうするんだ」と堂々巡りになり、身動きが取れなくなってしまう人も多いです。
仕事のミスが怖くなったり、ちょっとしたことでイライラしやすくなったりと、メンタル面にも影響が出てきます。
そしてまた自分を責めて落ち込む…と、悪循環にハマりやすいんですよね。
だからこそ、「今の給料で本当にやっていけるのか」「どこまでなら割り切れるのか」を一度冷静に見直してみることが大事です。
すぐに答えを出さなくてもいいので、家計を書き出したり、他の仕事の給料相場を調べたりしながら、少しずつ現実と向き合うところから始めてみてください。
人間関係と職場環境の問題
清掃業は、少人数のチームで動くことが多い仕事です。
だからこそ、人間関係の影響がものすごく大きいという特徴があります。
仕事そのものは嫌いじゃないのに、「あの人と一緒に働くのが本当にしんどい」という理由で辞めていく人も少なくありません。
清掃現場ならではの人間関係の難しさ
清掃の現場は、社員だけでなくパート・アルバイト・シニア・外国人スタッフなど、年齢もバックグラウンドもバラバラなメンバーで構成されていることが多いです。
価値観や文化が違う人同士が、短い時間で効率よく動かないといけないので、どうしても摩擦は起きやすくなります。
よくあるのが、
- 高圧的な上司に毎日のように怒鳴られる
- 自分だけ新人扱いが長く続き、雑な仕事ばかり回ってくる
- ベテランのやり方が絶対で、意見が言いづらい空気になっている
- シフトや段取りのミスを全部人のせいにされる
といったケースです。
特に、現場リーダーや責任者のタイプによって、職場の空気はガラッと変わります。
数字だけを見る上司だと、「とにかく早く」「とにかく安く」とプレッシャーをかけがちで、現場の負担が増えやすくなります。
逃げ場の少なさがストレスを増幅させる
オフィスワークであれば、部署異動などで人間関係をリセットできることもありますが、清掃現場はそうはいきません。
「毎日同じメンバー」「同じ現場」「同じ時間帯」というパターンが多いので、合わない人がいると逃げ場がほとんどないんですよね。
その結果、
- 仕事に行く前から「今日あの人いるかな…」と憂うつになる
- 現場で話す相手がほとんどおらず、孤立感が強くなる
- 小さなミスでも必要以上に責められているように感じる
といった状態に陥りやすくなります。
人間関係のストレスは、「我慢していればそのうち慣れる」タイプのものではなく、長引けば長引くほど心を削っていきます。
私が経験した「価値観が合わない上司」との衝突
私も会社員時代、価値観が全く合わない上司の元で働いていた時期がありました。
とにかく人に厳しく、自分に甘いタイプで、現場の事情より数字ばかり見ている感じだったので、正直かなりしんどかったです。
スタッフが体調を崩しても「代わりを探せ」の一言で済まされ、シフトがパンパンでも「なんとかしろ」と言われるだけ。
現場の声を上に届けても、「で、売上は?」という反応。
あの時は本気で、「このままここにいたら自分がおかしくなるな」と感じていました。
ただ、その経験があったからこそ、「自分が独立して人を使う立場になったら、絶対にこうはならないようにしよう」と学べた部分もあります。
とはいえ、その環境の中にずっと居続けていたら、メンタル的にはかなり危なかったと思います。
人間関係のストレスは、「自分が我慢すればいい」と抱え込んでしまうと、本当に危険です。
相談できる相手や、会社として問題に向き合う仕組みがない場合は、環境を変えることも真剣に検討した方がいいと私は思います。
清掃業は本当にやめとけなのか?向いている人・向いていない人
ここまで読むと、「やっぱり清掃業はやめとけなんじゃ…」と思うかもしれません。
ただ、私は「清掃業=全員にやめとけ」だとは思っていません。
清掃の仕事そのものは、人の役に立てて、技術も磨けて、独立にもつなげやすい、悪くない仕事だと感じています。
問題なのは、会社の運営の仕方や職場の雰囲気、働き方のバランスです。
清掃業に向いていると感じる人の特徴
清掃業に向いている人の特徴を、私の経験から挙げるとこんな感じです。
こういったタイプの人は、清掃の現場でぐんぐん成長していくことが多いです。
特に、仕上がりにこだわるタイプの人は、お客様からの信頼も得やすく、「◯◯さんにお願いしたい」と指名をいただけることもあります。
清掃業で病みやすい・向いていないと感じる人の特徴
逆に、清掃業でしんどくなりやすい人の特徴としては、
もちろん、これはあくまで目安ですが、こういった傾向が強い場合、清掃業の中でも「どんな現場を選ぶか」をかなり慎重に考えた方がいいと感じます。
たとえば、トイレやゴミ回収がメインの現場よりも、オフィスや空き室クリーニングの方が精神的な負担が軽い、という人もいます。
「清掃業=悪」ではなく「自分と今の環境の相性」で考える
大事なのは、「清掃業が悪い」か「自分が悪い」かの二択で考えないことです。
清掃業という仕事と、今の会社・現場・働き方の組み合わせが、あなたにとって合っているのかどうか。ここを冷静に見ていくイメージです。
もしあなたが「向いていない側」の項目に強く当てはまるなら、清掃業はやめとけという言葉に耳を傾ける価値はあると思います。
清掃業を続けるにしても、職場を変えたり、別の業界にチャレンジしたりと、選択肢はたくさんあります。
逆に、「掃除そのものは好きだし、人の役に立てている実感もある」というのであれば、清掃業を辞めるのではなく、会社や働き方を見直すだけでラクになるケースもあります。
たとえば、拘束時間の短い現場に移る、夜勤のない職場を選ぶ、ハウスクリーニングなど個人宅メインの仕事にシフトしてみる、などですね。
清掃業はやめとけと言われがちな仕事ですが、「自分にとってやめとけなのかどうか」は、人によって本当に違います。
ここを見極めるためにも、この記事全体を通して、一度じっくり自分の気持ちと向き合ってみてもらえたら嬉しいです。
清掃業を辞める・続ける・独立するための具体的なステップ
ここからは、「清掃業はやめとけと言われて不安」「今の職場は正直きついけど、どう動いたらいいか分からない」というあなたに向けて、現実的なステップを整理していきます。
辞めるにしても続けるにしても、行き当たりばったりではなく、準備して動いた方が圧倒的にラクですよ。
清掃業で病む前に取るべき行動
まず大前提として、心と体を壊してから動くのは遅いということを、声を大にして伝えたいです。
清掃業は体力的にもメンタル的にも負荷が大きい仕事なので、「頑張りすぎて限界突破」になりやすいんですよね。
「まだいける」「このくらいで弱音を吐きたくない」と我慢しているうちに、気づいたらボロボロになってしまう人を何人も見てきました。
ステップ1:自分の状態を「見える化」する
病む前に取ってほしい行動の一つ目は、自分の状態を紙に書き出して「見える化」することです。
やり方はシンプルで、ノートやメモに次のような項目を書いていくだけです。
頭の中だけで考えていると、モヤモヤがぐるぐる回るだけですが、一度外に出してあげると、「自分はこういうところで特にきつさを感じていたんだ」と客観的に見やすくなります。
この作業は、後で家族や友人、医師やカウンセラーに相談するときの材料にもなりますよ。
ステップ2:信頼できる人に気持ちを話してみる
次にやってほしいのが、信頼できる人1人でいいので、正直な気持ちを話してみることです。
家族でも友人でも、昔からの知り合いでも構いません。
「実は今の清掃の仕事がしんどくてさ…」と一言でもいいので、外に出してみてください。
「そんなにしんどかったんや」「そこまで無理する必要ないんちゃう?」と返してもらえるだけでも、心が少し軽くなることがあります。
自分の中だけに閉じ込めていると、「自分がダメなんだ」と思い込みやすくなるので、外の視点を一つ入れてあげるイメージですね。
ステップ3:会社の中で相談できる窓口を確認する
もし心身にまだ少し余裕があるなら、会社の中で相談できる窓口がないかも確認してみてください。
たとえば、
- 直属の上司ではなく、別の管理職や本部担当者
- 人事部門や労務担当
- 産業医や健康相談窓口
などです。
もちろん、会社の規模や雰囲気によっては「とてもじゃないけど相談できる空気じゃない」というところもあります。
その場合は無理に会社内で解決しようとせず、外部の窓口(労働基準監督署や労働相談コーナーなど)も視野に入れてみてください。
ステップ4:清掃業を辞めたい理由・続けたい理由を整理する
ここまで来たら、清掃業を辞めたい理由と、続けたい理由をそれぞれ書き出してみてください。
たとえば、
- 辞めたい理由:長時間労働・人間関係・給料の不安・生活リズムなど
- 続けたい理由:掃除そのものは好き・お客様に喜ばれるのが嬉しい・今の仲間が好きなど
両方を書き出してみることで、「自分は清掃業そのものが嫌なのか」「今の会社がしんどいだけなのか」が見えやすくなります。
ここが分かると、「同じ業界の別の会社に行く」のか「業界そのものを変える」のかといった方向性も見えてきます。
ステップ5:今すぐ辞めるか、準備して辞めるかをざっくり決める
最後に、今の自分の状態を踏まえて、
- 今すぐ辞めないと心身的に危ないレベルなのか
- 数ヶ月準備期間を取りながら辞める余裕があるのか
をざっくり決めてみてください。
心と体の危険サインが強く出ている場合は、「準備より命が大事」です。
最悪、仕事を一度手放しても、命さえあれば何度でもやり直せます。
清掃業で病む前に大事なのは、「頑張るための工夫」ではなく、「無理しすぎないための出口」を用意しておくことです。
ここを意識して動いてみてください。
辞める手順を把握して準備する
清掃業を辞めると決めたとき、勢いで「もう無理です、明日から行きません!」と言ってしまうと、収入面や手続き面で後から自分が困ることになります。
できる限り、辞める手順を事前に把握して、準備してから動くことをおすすめします。
お金まわりのざっくりシミュレーション
まず最初にやってほしいのは、今の貯金額と、毎月の生活費をざっくり計算することです。
家賃、光熱費、スマホ代、食費、交通費、その他の固定費などを書き出し、「最低これだけあれば1ヶ月は生活できる」という金額を把握しておきます。
次に、「今の貯金で何ヶ月くらいなら無収入でも耐えられるか」をイメージしてみてください。
たとえば、
- 生活費が毎月15万円かかる
- 貯金が30万円ある
という場合、「極端な節約をすれば2ヶ月はもつけど、かなりしんどいな…」という感じになりますよね。
このように、数字で把握しておくと、「どのタイミングで辞めるか」「どれくらいのペースで次の仕事を探すか」の判断材料になります。
退職タイミングと動き方のイメージ作り
お金のイメージがついたら、退職のタイミングをざっくり決めてみましょう。
- 「とにかく限界なので、1ヶ月後を目処に辞めたい」
- 「あと3ヶ月だけ頑張って、その間に転職先を探したい」
- 「繁忙期が終わる◯月末で区切りを付けたい」
など、人によって答えは違います。
ただ、「そのうち辞めたいな…」と考えているだけだと、いつまでも動けません。
暫定でもいいので、カレンダー上のゴールを一度決めることが大事です。
同時に、退職後の動き方(すぐ働くのか、一度休んでから動くのか)も考えておくと安心です。
心身が限界に近い人は、一度しっかり休んでから次の仕事を探す方が、結果的にうまくいくことも多いですよ。
転職サイト・ハローワークへの登録だけでも済ませておく
今すぐ本格的に転職活動を始める余裕がない場合でも、転職サイトやハローワークへの登録だけは先に済ませておくのがおすすめです。
これをやっておくだけで、
- どんな求人がどれくらいの給料で出ているか
- 清掃以外の仕事の選択肢には何があるか
が、何となく見えてきます。
「自分にも行けそうな仕事があるな」と分かるだけでも、気持ちがだいぶラクになりますよ。

収入や税金、社会保険などの具体的な金額や条件は人それぞれですし、制度も変わることがあります。正確な情報は、市区町村の窓口やハローワーク、年金・保険の公式サイトなどで必ず確認してください。最終的な判断は、必要に応じて専門家にも相談しながら行ってくださいね。
退職前に確認すべき重要な点
清掃業を辞める前に確認しておきたいのが、有給休暇・社会保険・年金・雇用保険・会社から借りているものの5つです。
ここをあいまいなまま退職してしまうと、あとで「あれ?どうなってたっけ?」とバタバタしやすくなります。
有給休暇の残日数と消化計画
まずは、有給休暇が何日残っているかを確認しましょう。
タイミングによっては、有給をまとめて取得することで、心身を休めながら次の準備をする時間に充てることもできます。
ただし、現場の引き継ぎとの兼ね合いもあるので、「退職の◯週間前から有給をまとめて使う」「半日ずつ取得しながら通院や面談にあてる」など、上司と相談しながら無理のない形を考えてみてください。
健康保険・年金・失業保険の流れ
次に大事なのが、退職後の健康保険や年金、失業保険の流れです。
- 退職後は、会社の健康保険から国民健康保険への切り替え、または家族の扶養に入るかを選ぶ必要がある
- 年金は、厚生年金から国民年金への種別変更の手続きが必要
- 失業保険を受け取りたい場合は、離職票や雇用保険被保険者証などの書類を会社から受け取る必要がある
これらは、退職後の生活を支える大事な仕組みです。
手続きの期限や必要書類については、ハローワークや市区町村の窓口、公式サイトで必ず最新の情報を確認してください。
備品の返却リストを作る
意外と忘れがちなのが、会社から借りているものの返却です。
清掃業だと、
- 制服や作業着
- シューズ
- 鍵や入館証、ICカード
- 社用携帯やタブレット
- 名札や腕章
などが当てはまります。
退職間際でバタバタしないよう、早めにリストを作っておいて、ロッカーや自宅を一度チェックしておくと安心です。
このあたりを事前に整理してから退職に動くと、「辞めたあとに手続きでバタバタして余計に疲れた…」という事態を減らせます。
辞めること自体がゴールではなく、「次の生活につなげるためのステップ」と考えて準備してみてください。
転職活動で職場を比較する方法
清掃業を辞めると決めたら、次に考えるのは転職先ですよね。
ここで適当に選んでしまうと、「また清掃業はやめとけと言われるような環境」に飛び込んでしまう危険があります。
大事なのは、「条件の良し悪し」だけでなく、「自分に合うかどうか」で職場を比較することです。
4つの軸で求人をチェックする
私が悩んでいる人にいつも伝えているのは、求人票の表面的な条件だけでなく、次の4つの軸で比較してほしいということです。
- 労働時間・シフト(残業時間・早朝や夜勤の頻度・休みの取りやすさ)
- 人間関係・雰囲気(面接官の話し方・職場見学の印象)
- 給料・手当・昇給(固定残業の有無・手当の種類・昇給実績)
- 会社の価値観(効率だけか、人も大事にしているか、自分の価値観と合うか)
たとえば、同じ清掃の仕事でも、
- 短時間パートが中心で、シフトの融通が利きやすい職場
- 正社員で長時間労働+夜勤が多い職場
- ハウスクリーニングのように、お客様と話す機会が多い職場
など、働き方はかなり違います。
自分が何を優先したいのか(時間なのか、収入なのか、人間関係なのか)をはっきりさせておくと、求人の見え方も変わってくるはずです。
面接や職場見学で見るべきポイント
求人票だけでは分からない部分も多いので、可能なら職場見学をお願いしたり、面接時に現場の様子をチラッと見せてもらうのがおすすめです。
そのときにチェックしたいのは、
- スタッフ同士の会話の雰囲気(ピリピリしていないか)
- 現場責任者の話し方(横柄すぎないか、ちゃんとこちらの話を聞いてくれるか)
- 道具や洗剤の管理状態(雑に扱われていないか、安全面への配慮があるか)
などです。
数字や言葉よりも、「現場の空気感」「自分がここに立っているイメージが湧くか」を大事にしてみてください。

清掃業から他業種に転職する場合も、この4つの軸はそのまま使えます。清掃業からの転職のポイントや、面接でのアピールの仕方については、別でまとめた清掃業を辞めたい人必見の転職解説記事で詳しく書いているので、気になる方はそちらも参考にしてみてください。
退職代行サービスの活用の選択肢
中には、「上司が怖すぎて退職の話を切り出せない」「以前辞めたいと言ったらひどく引き止められて、それ以来言い出せなくなった」という人もいると思います。
そんなときの選択肢として、退職代行サービスがあります。
私のところにも、「もう上司の顔を見るのもつらいけど、自分から辞めると言い出せない…」という相談は本当に多いです。
そういう時は、第三者に間に入ってもらうだけで一気に状況がラクになることもあります。

退職代行サービスは、料金や対応範囲がそれぞれ違うので、必ず公式サイトでサービス内容や口コミを確認してから選んでくださいね。
退職代行を使うメリット
退職代行を使うメリットは、ざっくり言うと次の3つです。
特に、清掃業の現場は感情的になりやすい上司も正直多いので、「辞める」と伝えた瞬間に怒鳴られたり、人格を否定されるようなことを言われたりするケースもあります。
そうなると、ただでさえボロボロのメンタルがさらに削られてしまいますよね。
退職代行を使えば、そういった直接的なストレスを避けることができます。
「もうこれ以上傷つきたくない」「これ以上自分を責めたくない」と感じているなら、選択肢として全然アリだと私は思っています。
注意点とサービス選びのポイント
一方で、退職代行には注意点もあります。
費用がかかること、そしてサービスの質に差があることです。
中には、連絡が雑だったり、会社とのやりとりが不十分だったりする業者もあるようです。
会社との交渉(未払い残業代の請求など)までお願いしたい場合は、弁護士が関わっている退職代行かどうかが特に重要です。
法律的な交渉は、資格のない業者では対応できない範囲もありますので、公式サイトで運営主体や対応範囲を必ず確認してください。
最終的な利用判断は、ご自身の状況に合わせて専門家にも相談しながら行うのが安心です。
また、「退職代行を使うなんて甘えなんじゃないか」と自分を責めてしまう人もいますが、私はそうは思いません。
むしろ、無理を続けてメンタルを壊してしまう前に、頼れるものは頼るというのは、立派な自己防衛だと感じています。
清掃業からの転職で選びやすい仕事
清掃業はやめとけと感じて辞めたあと、「自分に何ができるんだろう」と不安になる方も多いです。
ただ、清掃の仕事で身についたスキルは、実は他の仕事でもけっこう活かせます。
ここをちゃんと理解しておくと、自信を持って次の一歩を踏み出しやすくなりますよ。
清掃業で身につく4つの強み
清掃業で身につく代表的なスキル・強みを挙げると、
これらは、書類や資格では分かりにくいですが、現場仕事やサービス業にとってはものすごく大事な力です。
面接で具体的なエピソードを交えて話せるようにしておくと、かなり武器になります。
相性の良い転職先の例
清掃業からの転職で、私が見てきた中で相性が良かった職種をいくつか挙げてみます。
どれも、清掃業での経験が活きやすい仕事です。
たとえば、ビルメンテナンスやマンション管理なら、建物の清潔さや安全面への意識はそのまま強みになりますし、ホテルや介護施設なら、「人が快適に過ごせる環境を整える」という意味で共通点があります。
「自分は何が嫌で、何なら頑張れそうか」を整理すると進む方向が見えやすくなると思います。
ハウスクリーニングで独立という道
私自身は、42歳でハウスクリーニングに独立しました。
清掃業はやめとけという声も理解しつつ、「掃除そのものは好きだし、自分のやり方でお客様と向き合いたい」と思ったのがきっかけです。
ここでは、ハウスクリーニング独立のリアルなところも含めてお話ししますね。
独立のメリットと現実
独立の良いところは、
という点です。
会社員時代は、「こんなに頑張っても自分の給料はそこまで変わらない」というもどかしさがありましたが、独立後は、自分の工夫や努力がダイレクトに返ってくる感覚があります。
一方で、もちろん楽ではありません。
道具や洗剤への初期投資、集客方法の構築、リピート対策、経理や確定申告など、会社がやってくれていた部分を全部自分でやる必要があります。
営業がうまくいかない月は売上が落ちますし、体調を崩したらそのまま収入にも響きます。
独立前に必ず揃えたい3つの準備
ハウスクリーニング独立を考えるなら、最低限次の3つは最初にしっかり揃えておくことを強くおすすめします。
- 洗剤・道具・資材:現場で本当に使えるものを厳選して揃える
- 会計ソフト:見積もり・請求・経費管理をスムーズにする仕組み
- 基礎的な集客導線:ホームページやチラシ、ポータルサイトなど

私が実際に現場で使って「これは間違いなく役に立つ」と感じたものをまとめたのが、独立開業して分かったハウスクリーニング必須アイテムの解説記事です。何から揃えればいいか分からない方や、無駄な出費を減らしたい方にはかなり参考になると思います。
さらに、車や事務所の有無、開業届の提出、料金設定の決め方など、独立に必要な準備は他にもあります。
私はブログの別記事で「ハウスクリーニングで独立するために必要なもの」を10項目に整理しているので、独立をもう少し具体的に検討したくなったときにチェックリスト代わりに使ってもらえれば嬉しいです。
清掃業 病む前に逃げる決断が大切 総括
最後に、清掃業はやめとけと言われるテーマについて、改めてまとめておきます。
ここまで読んでくれたあなたの頭の中を、もう一度整理するイメージで目を通してみてくださいね。
- 清掃業は長時間労働・不規則・人間関係・低賃金が重なりやすい
- 病む原因は本人ではなく環境の負担が大きい
- 判断は「労働時間・人間関係・給料・フォロー・将来像」の5つで見る
- 危険サインがあるなら無理せず抜けることを優先
- 辞める前に有給・保険・年金・雇用保険・返却物を確認
- 言い出せないなら退職代行も選択肢
- 清掃のスキルは他業種でも活かせる
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掃除が好きなら独立も選べるが準備は慎重に
清掃業でしんどい思いをしていると、「自分がダメなんじゃないか」「どこへ行っても同じなんじゃないか」と思いがちです。
でも、私は25年以上この業界にいて、環境を変えればちゃんとラクになる人を何人も見てきました。
職場を変えただけで笑顔が増えたスタッフもいれば、全く別の業界に飛び込んでイキイキ働いている元同僚もいます。
清掃業はやめとけという言葉に振り回される必要はありません。
ただ、心と体を壊してまで今の職場にしがみつく必要もありません。
あなたが「ここは違うな」と感じているなら、その感覚は大事にしていいと思います。

あなたが少しでもラクに呼吸できる働き方に近づけるように、このブログがその一歩のきっかけになればうれしいです。無理だけはしすぎず、自分のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。
\実際に現場で使っているハウスクリーニングおすすめ洗剤&道具/
独立開業を目指すとき、最初に悩むのが「どんな洗剤や道具を揃えればいいのか」「経理や顧客管理はどうするのか」、そして「一人で不安になったときに頼れる場所があるのか」という点ではないでしょうか。
私自身、開業当初は同じように迷い、必要のないものを買ってしまったり、逆に本当に必要な道具が抜けていて現場で困った経験があります。
また、事務作業に追われて時間を失ったり、孤独感に押しつぶされそうになったこともありました。
そうした失敗や試行錯誤を経て、「これだけは導入してよかった」と胸を張っておすすめできるものがいくつかあります。
それが 『洗剤・道具・会計ソフト・コミュニティ 』の4つです。
これらを揃えることで、作業効率が大きく向上し、顧客からの信頼も得られ、さらには安心して長く続けられる基盤が整いました。

私が現場で実際に使って「これは間違いなく役に立つ」と感じたものだけをまとめました。これから独立開業される方の参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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【この記事を書いた人】

清掃業歴20年以上、累計1万件以上の現場を経験。
大手清掃会社に14年間勤務し、現場管理やスタッフ育成、顧客対応を通じて豊富なノウハウを習得。
42歳で独立後は、住宅・オフィス・店舗清掃を中心に活動中。
このブログでは、清掃業での独立ノウハウ、集客術、現場トラブル解決法などを実体験に基づいて発信しています。

