エアコンのお掃除機能は必要か?プロが本気で選び方を完全解説

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掃除の技術・情報
執筆:ヒデ(清掃業歴20年以上・現場経験10,000件超)|プロフィール
困っている人
困っている人
  • お掃除機能付きエアコンが本当に掃除の手間を減らすのか知りたい
  • エアコンのお掃除機能が必要かどうか費用対効果で迷っている
  • お掃除機能付きとなしでどちらを選ぶべきか判断基準が分からない
  • お掃除機能付きエアコンは後のクリーニング料金が高いと聞き不安になっている
ヒデ
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このような悩みや疑問にお答えします

エアコンお掃除機能は必要かどうか、買う前にモヤモヤしているあなたへ。

お掃除機能付きエアコンのメリットやデメリット、お掃除機能なしエアコンとの違い、エアコンお掃除機能とはそもそも何なのか、内部クリーン機能との違いまで、意外と分かりにくいところが多いですよね。

実際、電気屋さんの売り場で説明を聞いても、その場では分かったつもりになって、家に帰ってから「あれ?結局どっちがいいんだっけ?」となりがちかなと思います。

電気屋さんでは「お掃除機能付きだとフィルター掃除の手間が減りますよ」「電気代が安くなりますよ」と言われる一方で、ネットを見れば「エアコンお掃除機能はいらない」「お掃除機能付きエアコンは後のクリーニング料金が高い」といった声もあって、余計に迷うところだと思います。

しかも、メーカーやモデルによって機能の名前も仕様も少しずつ違うので、比較しようとしても、なかなかスッキリ整理できないんですよね。

私は清掃業歴20年以上、エアコンクリーニングの現場を1万件以上まわってきた中で、一般家庭のお掃除機能付きエアコンも、お掃除機能なしエアコンも両方見てきました。

新築マンションに入ったばかりのピカピカのエアコンから、10年以上一度も分解洗浄をしていないエアコンまで、本当にいろいろな状態のエアコンを見てきました。

その経験から、「どんな人にとってお掃除機能付きがアリか」「多くの人にとってはお掃除機能なしエアコンで十分な理由」を、現場目線でお伝えしていきます。

この記事では、お掃除機能付きエアコンの本当の掃除範囲、エアコンクリーニング料金の目安、内部クリーン機能との違い、そしてお掃除機能なしエアコンを選ぶときのポイントまでまとめて解説しますので、読み終わるころには「自分にはどのタイプのエアコンが合っているか」がかなりハッキリするはずです。

あなたのご家庭の使い方やライフスタイルに照らし合わせながら、「うちはこのパターンかな」と当てはめて読んでもらえたらうれしいです。

【この記事を読んでわかること】

  1. お掃除機能付きエアコンが実際にどこまで掃除してくれるのか
  2. お掃除機能付きとお掃除機能なしエアコンのコストと手間の違い
  3. お掃除機能付きエアコンをおすすめしにくい3つの理由
  4. お掃除機能なしエアコンを選ぶときに見るべき機能と機種のポイント

エアコンのお掃除機能は本当に必要か?

ここではまず、「エアコンのお掃除機能って何をしてくれるのか」「本当に掃除しなくてよくなるのか」という、いちばん根本的な疑問から整理していきます。

そのうえで、現場で実際に見てきた汚れ具合とあわせて、お掃除機能付きエアコンをおすすめしにくい3つの理由を、順番にお話しします。

ここをしっかり押さえておくと、家電量販店で店員さんの説明を聞いたときに、「それはフィルターだけの話ですよね?」と冷静に突っ込めるようになりますよ。

おそうじ機能付きのエアコンはどこまで掃除してくれるの?

お掃除機能付きエアコンの正式な名前は、メーカーによって表現が違いますが、基本は「フィルター自動お掃除機能付きエアコン」です。

名前の通り、掃除しているのはフィルター部分だけで、エアコン内部すべてを自動でキレイにしてくれるわけではありません。

この「守備範囲」を勘違いしているケースがとても多くて、「内部まで全部やってくれていると思っていた」というお客様の声を、本当に何度も聞いてきました。

多くの機種は、フィルターについたホコリをブラシでかき取ってダストボックスに集めるタイプか、ホースで外へ排出するタイプです。

ダストボックス式だと、一定量たまったら自分でダストボックスを外してゴミを捨てる必要がありますし、外排出式でも、排出口のまわりにホコリが固まっていることがあります。

最近はフィルターの自動掃除に加えて、熱交換器(アルミフィン)を結露水で洗い流すような仕組みを持った上位機種も出てきていて、「水内部クリーン」や「フィン自動洗浄」といった名前で呼ばれていたりします。

ただし、現場で分解してみると、フィルターのホコリが完全に取りきれていないことが多いです。

ブラシが当たりにくい端の方や、フィルター枠との境目あたりにホコリが残りやすく、そのまま少しずつ層になっていきます。

しかも、フィルターの裏側には、結露水を含んだ空気が通るため、水分とホコリが混ざって固まったような汚れになり、簡単には取れなくなっていることも少なくありません。

そして、お掃除機能では手が届かない部分もたくさんあります。

具体的には、

  • 送風ファン(シロッコファン):空気を吸い込んで部屋に吹き出す、筒状のファン部分
  • 吹き出し口の奥:風が出てくるルーバーの奥側の面
  • ドレンパン(結露水の受け皿):冷房時に発生する水を受けるパーツ

こういった箇所のカビや汚れは、自動お掃除機能では一切落とせません。

ここにホコリやカビがこびりついてくると、冷房をつけた瞬間にカビ臭いニオイがしたり、風量が落ちて効きが悪くなったりしてきます。

メーカーの説明でも「お掃除機能はフィルター表面のホコリを取る機能です」とはっきり書かれていることが多いのですが、販売の現場ではそこまで丁寧に説明されていないこともあります。

さらにややこしいのが、「お掃除機能」と「内部クリーン機能」が混同されやすいことです。

内部クリーン機能は、冷房や除湿の運転が終わった後に送風や弱い暖房でエアコン内部を乾かす機能で、「乾かす」のが仕事。

「汚れやカビを落とす」機能ではありません。

このあたりの役割分担を知らないまま、「お掃除機能が付いているから、内部クリーンも自動でやってくれているはず」とイメージしてしまうと、実際とはズレが出てしまいます。

お掃除機能付きエアコンと、内部クリーン機能は完全に別物です。リモコンに「フィルターおそうじ」「フィルター自動掃除」などのボタンやランプがあればフィルターお掃除機能、「内部クリーン」「内部乾燥」「内部クリーン運転」などの表示があれば内部クリーン機能です。ボタンの名前と役割を一度チェックしておくと、勘違いを防げますよ。

まとめると、お掃除機能付きエアコンは、

  • フィルター表面のホコリを自動でブラシや吸引で集めてくれる
  • 一部の上位機種では、熱交換器を結露水で軽く洗い流す機能が付いていることもある
  • 送風ファン・吹き出し口・ドレンパンなどの汚れやカビの本丸は掃除してくれない

というイメージでいてもらうと、実態にかなり近いです。

ここを理解したうえで、「それでもフィルター掃除の手間が減るなら欲しい」なのか、「だったら自分でフィルターを掃除した方がいいかな」なのか、冷静に判断していくのがおすすめです。

 

実際どれくらい汚れているのか?

画像出典:筆者(おそうじ機能エアコン1台目)

画像出典:筆者(おそうじ機能エアコン2台目)

「お掃除機能が付いているから、5年くらいは掃除しなくて大丈夫ですよ」と言われて購入されているお客様も多いのですが、現場で実際に分解してみると、2,3年放置でもかなり汚れているケースがほとんどです。

特に、リビングなどで冷房をフル稼働させているご家庭や、小さなお子さん・ペットがいて一年中エアコンが動いているお宅では、汚れの進み方も早くなります。

フィルター部分は、一見キレイに見えても、奥の方にはホコリが層になって残っていたり、ブラシが届かない隙間に固まっていたりします。

ダストボックスを外してみると、「これ本当に自動で掃除してくれてたの?」と驚くくらいのホコリの山が出てくることもあります。

自動お掃除のブラシは、あくまでフィルター表面をなでるように動くだけなので、フィルターの目に入り込んだ細かいホコリまでは取り切れません。

そして何より問題なのが、送風ファンと吹き出し口のカビです。

ここが汚れていると、

  • 運転を始めた瞬間にカビ臭いニオイがする
  • 冷暖房の効きが悪くなり、電気代もじわじわ上がる
  • ひどい場合は、結露水がドレンに流れきれず水漏れの原因になる

といったトラブルにつながります。

実際、当サイト内のエアコンから水漏れする原因と対処法をまとめた記事でも詳しく書いていますが、内部の汚れがドレンホースの詰まりにつながり、水漏れを起こすケースはかなり多いです。

水漏れの依頼で伺って分解してみたら、ファンとドレンパンが真っ黒で、「これは水が流れないよな…」という状態になっていることも珍しくありません。

現場感覚でいうと…

ヒデ
ヒデ

「お掃除機能付きだから」と3年以上まったく掃除をしていないエアコンは、ほとんどのケースで内部洗浄が必要なレベルまで汚れています。見た目がキレイでも、フロントカバーを外してみると、お客様が目を丸くされることが本当に多いです。「こんなに汚れてたなんて…」と、その場でスマホで写真を撮られる方もたくさんいます

もうひとつ大切なのが、健康面の影響です。

エアコン内部でカビや雑菌が増えると、それが風に乗って部屋中に舞うことになります。

もちろん、すぐに病気になるとは言いませんが、

  • なんとなくノドがイガイガする、咳が出やすい
  • 子どもが夏場に咳や鼻水を繰り返しやすい
  • アレルギー体質の家族がいる

といった場合は、エアコン内部の汚れが少なからず影響している可能性もあります。

だからこそ、「お掃除機能付きだから大丈夫」と油断するのではなく、使用年数や使用時間を踏まえて、1、2年に1回は内部の状態をチェックするくらいの感覚でいてもらえると安心かなと思います。

自分でできるチェックとしては、

  • フィルターを外して裏側までライトで照らしてみる
  • 吹き出し口からスマホのライトを当てて、ファンを見る(カビが付着していたら要注意)
  • 運転開始直後のニオイを意識して嗅いでみる

といった方法があります。

少しでも「うわ、汚れてるかも」と感じたら、早めにプロのクリーニングを検討した方が、カビが根を張る前にリセットできるのでおすすめです。

 

エアコンのおそうじ機能付きは買わないほうがいい3つの理由

ここからは、私が「多くのご家庭には、お掃除機能付きよりノーマルエアコン(お掃除機能なし)をおすすめしたい」と考えている理由を3つに整理してお話しします。

決して「お掃除機能付きは全部ダメ」と言いたいわけではなくて、コスパとメンテナンス性を冷静に考えると、ノーマルエアコンの方が有利な場面が多いというのが、現場での実感です。

お掃除機能付きエアコンは、確かにフィルター掃除の手間を軽減してくれるというメリットはあります。

ただ、そのために本体価格とクリーニング費用が上がり、構造が複雑になることで故障リスクも増える。

このバランスをどう見るかがポイントです。

以下の3つの観点から、順番に掘り下げていきます。

その1 電気店で購入するときの金額がノーマルエアコンより高い

まず単純に、本体価格が高いです。

お掃除機能付きは構造が複雑で部品点数も多く、そのぶん価格帯も1ランク上になることがほとんどです。

店頭の価格札を見ていると、同じ畳数クラスでも、ノーマルエアコンとお掃除機能付きエアコンでは、しれっと数万円の差がついていることが多いはずです。

もちろん、細かい価格は機種や販売店、時期によって大きく変わりますが、同じ畳数クラス・同じメーカーで比べると、お掃除機能付きはノーマルエアコンより1〜3万円ほど高くなることが多い印象です(あくまで一般的な目安です)。

さらに、上位機種になればなるほど、「高省エネ」「高機能フィルター」「AI自動運転」などが追加されていき、気づけば10万円以上価格差が開いていた…というパターンも珍しくありません。

価格のイメージ(あくまで一般的な目安)

タイプ 本体価格の目安 特徴
ノーマルエアコン(お掃除機能なし) 6〜10万円前後 構造がシンプルで価格も抑えめ。クリーニングしやすく寿命も読める
お掃除機能付きエアコン 9〜15万円前後 フィルター自動掃除などで1〜3万円アップしやすい。内部構造は複雑

※上記金額は、家電量販店やネット通販の表示価格をもとにした目安です。実際の価格は時期やキャンペーン、工事費、地域によって変動します。正確な情報は必ず各メーカーや販売店の公式サイト・店頭価格をご確認ください。

この「最初の数万円の差」が、その後のエアコンクリーニング代やメンテナンスの手間で本当に取り返せるのか?というところがポイントです。

例えば、本体価格の差が3万円あったとして、エアコンの寿命を10年とすると、年あたり3,000円の差です。

そのぶんフィルター掃除の手間がどれくらい減るのか、エアコンクリーニングの費用がどれだけ増えるのかを合わせて考えると、「そこまでしてお掃除機能を付ける意味があるか?」という疑問が出てくると思います。

私自身の感覚としては、限られた予算の中で優先するなら、「お掃除機能」よりも「適切な能力(畳数)」「信頼できるメーカー」「取り付け工事の質」を重視した方が、満足度は高くなりやすいと感じています。

その2 エアコンクリーニングの料金が高くなる

お掃除機能付きエアコンには、フィルターを動かすためのモーターやギア、センサーなどを組み込んだ「お掃除ユニット」がどーんと内蔵されています。

これがとにかく複雑で、分解と復旧に時間と手間がかかるのが現場目線での正直なところです。

配線も細かく入り組んでいるので、1本でも断線させてしまうとエラー表示が出たり、最悪の場合、基板交換レベルの修理になるリスクもあります。

そのため、同じ壁掛けエアコンでも、クリーニング料金はお掃除機能付きの方が高くなるのが一般的です。

大手業者や地域のエアコンクリーニング会社の料金表を見ても、

  • ノーマルエアコン:1台あたり8,000〜13,000円前後
  • お掃除機能付きエアコン:1台あたり15,000〜25,000円前後

といった価格帯が多く、「だいたい1.5〜2倍くらいの差」がついていることが分かります(いずれも税込みの一般的な目安です)。

作業時間も、ノーマルエアコンなら1台あたり1〜1.5時間程度で終わるところ、お掃除機能付きだと2〜3時間かかるケースもあり、そのぶん人件費もかかってくるわけですね。

料金は会社によってかなり差がありますし、台数割引やシーズンキャンペーンもあります。必ず事前に見積もりと作業内容を確認し、正確な料金は各業者の公式サイトや説明をチェックしてください。

プロに依頼する頻度の目安としては、使用環境にもよりますが、一般家庭なら1,2年に1回は内部洗浄をした方が良いケースが多いです。

ノーマルエアコンとお掃除機能付きエアコンでその都度の料金が違うので、10年単位で見ると、クリーニング代の総額にそこそこの差が出てきます。

例えば、

  • ノーマルエアコン:クリーニング1回1万円×10年で5回=5万円
  • お掃除機能付き:クリーニング1回2万円×10年で5回=10万円

といった具合で、本体価格の差に加えて、メンテナンス費用でも差が開いていくイメージです。

もちろん、これはあくまで一般的なモデルケースですが、「長く使うほどトータルコストの差が広がりやすい」という方向性は、どこの現場でも共通しています。

さらに、現場では「お掃除機能付きだからこそ、分解が難しくて断られる」「作業時間が長くなる分、予約が取りづらい」といった声も聞きます。

プロ側から見ても、ノーマルエアコンの方が確実に作業性は高いというのが本音です。

ヒデ
ヒデ

エアコンクリーニングの段取りや作業効率については、同じサイト内のエアコンクリーニングの作業効率を上げる方法でも詳しく解説しているので、業者側の視点に興味がある方は参考にしてみてください。

その3 フィルター自動おそうじ機能は無意味な機能

ここは少し辛口になりますが、現場での体感として、自分でフィルター掃除ができる人にとっては、フィルター自動お掃除機能はほぼ無意味だと思っています。

もちろん全否定ではないのですが、「そのために高いお金を払う価値があるか?」と聞かれたら、多くのお客様には「うーん、微妙ですね」と答えることが多いです。

理由はシンプルで、

  • フィルターのホコリを取りきれていないことが多い
  • 内部のカビや汚れ(ファン・吹き出し口・ドレンパン)は一切掃除していない
  • 構造が複雑なぶん、故障したときの修理費用も高くなりがち

だからです。

メーカーも「お掃除機能=内部を完璧にキレイにする機能」とは言っておらず、「フィルター表面のホコリを自動で集める機能」と説明しています。

しかし、販売の現場での伝わり方が「掃除しなくても大丈夫」というイメージになってしまっているのが実情だと感じます。

こんな人にはまだアリ

  • 高齢で脚立に上がるのが難しい
  • 天井ギリギリの位置に付いていて、そもそもフィルターが触れない
  • 忙しすぎて、2週間に1回のフィルター掃除がどうしてもできない

こういった「フィルター掃除が物理的・時間的に難しい」環境であれば、お掃除機能付きでフィルター目詰まりを減らす価値はあると思います。

フィルターが目詰まりすると風量が落ちて電気代も上がるので、それを少しでも抑えられるなら意味はあります。

ただ、自分でカバーを開けてフィルターを外せる人にとっては、シンプルなノーマルエアコン+定期的なフィルター掃除の方が、トータルのコストも故障リスクも低く抑えられるケースが多いです。

フィルター掃除自体は、慣れてしまえば1台あたり5〜10分程度の作業ですし、2週間に1回行うとしても、年間でみればそれほど大きな負担ではありません。

ヒデ
ヒデ

費用面や健康面(カビ・アレルギーなど)に関わる話なので断定はしませんが、最終的な判断は、必ずメーカーの公式情報や販売店の説明、専門業者の意見もあわせて確認してくださいね。お住まいの地域や家族構成によっても、ベストな選択は変わってきます。

「お掃除機能に全て任せる」のではなく、「自分でできる範囲の掃除+必要に応じたプロのクリーニング」で組み立てていく、という考え方をベースにしてもらえると、エアコン選びで大きく失敗することは減ると思います。

 

お掃除機能なしエアコンを選ぶときのポイント

ここからは、「じゃあノーマルエアコンを買うとして、どんな機能を重視すればいいの?」というところを整理していきます。

私が実家のエアコンを買い替えるときに実際にチェックしたポイントや、現場で「これは付いていた方がいいな」と感じている機能を中心にお話しします。

お掃除機能を外したことで浮いた予算を、どこに振り分けると満足度が高くなるのか、一緒にイメージしていきましょう。

おすすめのエアコンと機能は?

私が自分の家族にすすめるとしたら、条件はとてもシンプルです。

  • お掃除機能なしのノーマルエアコンであること
  • 内部クリーン(内部乾燥)機能が付いていること

この2つさえ満たしていれば、あとは予算と部屋の広さ、好みのメーカーで選んでOKというくらいの感覚です。

実際、私の実家のエアコンを2台まとめて買い替えたときも、選んだのはお掃除機能なしのシンプルなダイキンのEシリーズでした。

余計な機能は付いていませんが、「ちゃんと冷える・ちゃんと暖まる」「掃除がしやすい」という、毎日の使い勝手の部分がしっかりしているので、とても満足しています。

電気屋さんではどうしても、上位機種の「高省エネ」「多機能」「AI快適運転」といったモデルを勧められがちですが、私はいつも、

  • 本体価格の差
  • エアコンクリーニング料金の差
  • 壊れたときの修理費や買い替えタイミング

までトータルで考えるようにしています。

例えば、上位機種の方が年間の電気代が2,000〜3,000円安くなるとしても、本体価格が5万円高ければ、単純計算で元を取るのに10年以上かかります。

しかも、その間にエアコン自体の買い替え時期が来てしまうこともありますよね。

私がチェックするポイント

  • 部屋の広さに対して適切な能力(畳数表示)か
  • 内部クリーン(内部乾燥)機能が付いているか
  • 室内機のサイズや形状が、設置スペースに収まるか・掃除しやすいか
  • シンプルな構造で、分解クリーニングがしやすいか(業者目線)

エアコンを選ぶときは「シンプルで壊れにくい」「メンテナンスしやすい」ものを選ぶのが結果的にコスパが良くなりやすいです。

 

内部クリーン機能とは?

内部クリーン(内部乾燥)機能は、冷房や除湿を切ったあとに、送風や弱い暖房運転でエアコン内部を乾かす機能です。

運転時間は機種にもよりますが、だいたい80〜140分くらい続くものが多く、ダイキンの公式情報でも「内部クリーン運転の時間は約80〜140分」と案内されています(出典:ダイキン工業『内部クリーンとは(ルームエアコン)』)。

冷房や除湿の運転中、熱交換器はキンキンに冷やされているので、当然たっぷり結露します。

そのまま電源を切ると、

  • 熱交換器やファンまわりがジメジメしたまま
  • ホコリや汚れがくっついた状態で湿気だけ残る

という「カビが育ちやすい環境」ができてしまいます。

内部クリーン機能は、それをある程度乾かしてカビの増殖を抑えるための予防機能だと思ってください。

イメージとしては、お風呂上がりに換気扇を回して浴室を乾かすのと同じで、「濡れたまま放置しない」ための仕組みです。

すでにモコモコにカビが生えてしまっているエアコンは、内部クリーンをしてもキレイにはなりません。

カビが生えてしまった後は、分解して直接洗浄するしかないと考えておいてください。

なので、内部クリーン機能を活かすポイントは、

  • エアコンを買ってから早い段階で「習慣」として使い始める
  • 冷房・除湿をよく使う季節ほど、内部クリーンの頻度を上げる
  • 部屋を閉め切ったまま内部クリーンをしていると暑く感じることもあるので、寝る前や外出前などタイミングを工夫する

といった部分です。

また、内部クリーン機能を使うと、その分だけ電気代も少しはかかりますが、多くのメーカーが「1回あたり数円程度」と案内しています。

カビ予防の効果を考えると、個人的には十分ペイするレベルだと感じています。

ヒデ
ヒデ

とはいえ、内部クリーンだけで全てが解決するわけではありません。内部クリーン機能は、あくまで「カビ予防のアシスト役」です。フィルター掃除やプロの分解洗浄と組み合わせて、トータルでメンテナンスしていくことが大事ですよ。

 

おすすめのエアコン

画像出典:筆者(実家のエアコン)

具体的な機種名で言うと、私はダイキンのシンプルなVシリーズやEシリーズをよくおすすめしています。

理由は、

  • お掃除機能なしで構造がシンプルであること
  • 内部クリーン機能など、必要な機能はしっかり搭載されていること
  • 分解しやすく、現場でのクリーニング作業性が良いこと

といった点です。

実家には2019年モデルのAN28VEBKSを導入しましたが、内部クリーン機能付きのシンプルモデルで、今でも快適に動いています。

真夏の猛暑日でもしっかり冷えてくれますし、冬場も暖房で活躍してくれています。

ヒデ
ヒデ

今選ぶなら、後継のEシリーズ(例えばS255ATES-Wなど)を検討してもらえれば、基本的な考え方は同じです。

 

畳数に合ったクラスを選び、

  • 内部クリーン機能の有無
  • 室内機のサイズ(設置スペースに入るか)
  • 室外機の設置条件(ベランダ・屋上・公団吊りなど)

を確認すればOKです。

特に、最近のマンションはカーテンレールと天井の間が狭く、エアコンの上部にほとんどスペースがないケースも多いので、本体の高さは必ずチェックしておきたいポイントです。

上部に手が入らないと、フィルター掃除やプロの分解洗浄が一気にやりにくくなってしまいます。

エアコン選びのチェックリスト(ノーマルエアコン編)

項目 チェック内容
能力(畳数) 部屋の広さ+日当たり・気密性を考慮して、少し余裕のあるクラスを選ぶ
お掃除機能の有無 フィルター自動お掃除機能はなしのモデルを優先
内部クリーン機能 内部クリーン(内部乾燥)機能が付いているかを確認
室内機サイズ 高さ・幅・奥行きが設置スペースに収まるか、上部に手が入るか
室外機の設置 ベランダのスペースや騒音、排水の流れを確認
機種ごとの詳しいスペックや最新モデルの情報は、必ずメーカー公式サイトやカタログで確認してください。カタログに載っている電気代や能力値は、あくまで試験条件での目安です。実際の電気代や性能は、地域・使い方・設置状況によって変わりますので、「カタログ通りになる」とは思わず、あくまで参考程度に見るのがおすすめです。

 

さいごに

ここまで、エアコンお掃除機能は必要かどうか、お掃除機能付きエアコンとノーマルエアコンの違い、内部クリーン機能の役割、おすすめの機種選びのポイントまで、一気にお話ししてきました。

少しボリュームは多くなりましたが、そのぶん「どこをどう選べばいいか」はかなりクリアになってきたんじゃないかなと思います。

清掃業の現場でたくさんのエアコンを見てきた立場からまとめると、

  • お掃除機能はフィルター中心の機能で、内部のカビまでは取らない
  • お掃除機能付きは本体価格もクリーニング料金も高くなりやすい
  • 自分でフィルター掃除ができるなら、ノーマルエアコン+内部クリーン機能で十分
  • どのタイプでも、1、2年に1回のプロクリーニングは検討した方が良い

というのが、現時点での私の結論です。

特に、小さなお子さんやアレルギー体質の家族がいるご家庭では、「お掃除機能付きだから大丈夫」と油断せずに、内部の状態に気を配ってあげることが大事かなと思います。

もちろん、エアコンの選び方に絶対の正解はありません

設置環境や家族構成、予算、健康状態(アレルギーなど)によってベストな選択は変わります。

気になる点があれば、メーカーの公式情報や販売店のスタッフ、地元の信頼できるクリーニング業者にも相談してみてください。

「うちはどうしたらいい?」と聞いてもらえれば、現場のプロ目線でアドバイスしてくれるはずです。

ヒデ
ヒデ

この記事が、エアコンお掃除機能は必要かどうか迷っているあなたの判断材料になればうれしいです。もし「うちのエアコン、今どうなってるんだろう…」と気になったら、フィルターだけでも一度そっと覗いてみてくださいね。それだけでも、エアコンとの付き合い方が少し変わってくるはずですよ。

 

\実際に現場で使っているハウスクリーニングおすすめ洗剤&道具/

独立開業を目指すとき、最初に悩むのが「どんな洗剤や道具を揃えればいいのか」「経理や顧客管理はどうするのか」、そして「一人で不安になったときに頼れる場所があるのか」という点ではないでしょうか。

私自身、開業当初は同じように迷い、必要のないものを買ってしまったり、逆に本当に必要な道具が抜けていて現場で困った経験があります。

また、事務作業に追われて時間を失ったり、孤独感に押しつぶされそうになったこともありました。

そうした失敗や試行錯誤を経て、「これだけは導入してよかった」と胸を張っておすすめできるものがいくつかあります。

それが 『洗剤・道具・会計ソフト・コミュニティ 』の4つです。

これらを揃えることで、作業効率が大きく向上し、顧客からの信頼も得られ、さらには安心して長く続けられる基盤が整いました。

ヒデ
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私が現場で実際に使って「これは間違いなく役に立つ」と感じたものだけをまとめました。これから独立開業される方の参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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【この記事を書いた人】

ヒデ
ヒデ

清掃業歴20年以上、累計1万件以上の現場を経験。
大手清掃会社に14年間勤務し、現場管理やスタッフ育成、顧客対応を通じて豊富なノウハウを習得。
42歳で独立後は、住宅・オフィス・店舗清掃を中心に活動中。
このブログでは、清掃業での独立ノウハウ、集客術、現場トラブル解決法などを実体験に基づいて発信しています。

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