
- エアコンから水漏れする原因って何?
- エアコンから水漏れしたときの解決策を教えて
- エアコンから水漏れした時に使うおすすめの道具は?

このような疑問にお答えします。
エアコンからの水漏れは、実際によく起こるトラブルのひとつです。
使用して数年経った頃や、長期間クリーニングをしていない場合に特に発生しやすく、放っておくと床や家具が濡れてしまい、大きな被害につながることもあります。
場合によっては壁紙が変色したり、家電製品を故障させてしまうこともあるため、早めの対応が欠かせません。
一見すると「故障したのでは?」と不安になる水漏れですが、実際には構造上の理由やメンテナンス不足など、原因がはっきりしているケースがほとんどです。
原因を正しく理解すれば、自分で簡単に解決できる場合も少なくありません。
ここでは、エアコンクリーニングの現場経験をもとに「よくある8つの原因」と「具体的な対処法」を、できるだけ分かりやすく解説していきます。
【この記事を読んでわかること】
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エアコンから水漏れする主な原因8つが具体例とともに理解できる
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初心者でもできるセルフチェックや詰まり解消の方法が学べる
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自分で対応できるトラブルと業者に依頼すべきケースの違いが分かる
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水漏れによる被害のリスクと、予防のための点検や清掃の大切さが理解できる
- エアコンからの水漏れ8つの原因
- エアコンの水漏れであったクレーム
エアコンからの水漏れ8つの原因
エアコンから水漏れした原因 その1 『ドレンホースの詰まり』
エアコンの水漏れで最も多い原因は、ドレンホースの詰まりです。実際、全体の8割近くはこのトラブルが関係しているといっても過言ではありません。
エアコンは冷房運転中、内部の熱交換器が冷やされることで結露が発生します。
その結露水は一旦ドレンパンと呼ばれる受け皿に溜まり、そこからドレンホースを通って屋外へと排出される仕組みです。
本来であれば水だけがスムーズに排出されるのですが、実際にはホコリやカビ、さらにはドレンパンに溜まった汚れも一緒に流れていきます。
これらが少しずつホース内部に付着していくと、やがてヘドロ状の塊となり、排水を妨げてしまいます。
その結果、水が外に流れず逆流して室内機から漏れ出し、床や家具を濡らす水漏れにつながるのです。
上の写真のドレンパンもかなり汚れていましたが、このような汚れが原因でホース内に詰まりが起こるケースは非常に多く見られます。
詰まった場合の対処方法 その1
1,詰まっているか確認する為に熱交換器に水を流す
2,ドレンホースから水が出ているか確認する

水が出てこなければ詰まっている可能性あります
3,ドレンホースクリーナーで詰まりを除去
4,もう一度、熱交換器に水を流して確認
5,水がドレンホースから出てきたらOK

以上の流れになります。

水漏れの原因のほとんどが詰まりなので、下のドレンホースクリーナーがあれば安心ですよ。
詰まった場合の対処方法 その2
上の写真のようにドレンホースが建物の構造や設置状況によって完全に隠れてしまっているケースも少なくありません。
外からホースの先端が見えないため、そのままでは市販のドレンホースクリーナーを使って詰まりを解消することができなくなってしまいます。
その場合は、室内機のほうから空気を送り込んで、詰まりを除去する方法があります。
1,ドレンパンの穴(ドレンパンとドレンホースが結合している部分)にストローのようなものを入れます。
分かりやすいようにドレンパンを外してます。
ドレンパンを外してドレンホースが見えるようにしてます。
2,そのストローをくわえて自分の息を吹き込む。

間違っても吸い込まないでくださいね。汚水を飲んじゃいますので
3,熱交換器に水を流して確認
4,水がドレンホースから出てきたらOK

外側から作業できない状況でも、この方法を使えば詰まりを取り除ける可能性があります。
エアコンから水漏れした原因 その2 『ドレンホースが水平か逆勾配』
このケースは、エアコンを取り付けた業者の施工に問題がある可能性が高いため、ご自身で修正するのは難しい場合があります。
特に部屋の構造によっては、ドレンホースが壁の中を通って外に出ていることがあり、外から状況を確認するのが困難です。
実際にあった例として、家の中心部にある洗面所にエアコンを設置したケースで、洗面所には窓がなく、ドレンホースは廊下と部屋の壁を通してベランダに出ていました。

壁の内部に配管されているため勾配の状態は分かりませんでしたが、おそらく水平に近い設置だったと考えられます。
お客様は頻繁にドレンホースクリーナーを使用して掃除をされていましたが、それでも繰り返し水漏れが発生していました。
やはり根本的な原因は、ドレンホースの勾配が水平、もしくは逆勾配になっていたことによるものだと思われます。
エアコンから水漏れした原因 その3 『ドレンパンとドレンホースの結合部が緩んでいる』
このケースも、原因はエアコンを取り付けた業者か、もしくはエアコンクリーニング業者のいずれかである可能性が高いです。
もしクリーニングを一度も行っていない状態でこの部分から水漏れが発生した場合は、取り付け時の施工に問題があったと考えられます。
逆に、エアコンクリーニングをした直後に水漏れが起きたのであれば、作業を担当したクリーニング業者に原因があるといえるでしょう。
ただし、作業後に必ず通水確認(熱交換器に水を流し、正常に排水されるかを確認すること)を実施していれば、接続部が緩んだままの状態で作業を終えることはほとんどありません。
そのため、この部分が原因で水漏れする可能性は比較的低いと考えられます。
エアコンから水漏れした原因 その4 『ドレンパンが破損している』
家庭用エアコンでドレンパンが破損して水漏れした経験はないですが、上の写真のような業務用の天カセエアコンのドレンパンはあります。
経年劣化でドレンパンを洗浄しているときに、ヒビが入ったと思うのですが、それに気づかずに取り付けしたために水漏れしました。
ドレンパンのヒビが入っているところにパテを塗って補修したら、水漏れは収まりました。
エアコンから水漏れした原因 その5 『熱交換器についているゴミを伝って水漏れする』
20年程、ハウスクリーニングの仕事をしていますが、このケースは1回しか経験していないです。
それぐらいレアなケースでした。
前の会社の出来事ですが、私の部下がエアコンクリーニングをした翌日に、お客様から水漏れがすると連絡がありました。
部下と一緒に訪問したのですが、詰まってもいないし、ドレンホースも正常についているので、すぐに分からなかったのですが、ふと熱交換器を見ると小さいゴミが熱交換器についていて、それを伝って水漏れしていました。
もちろんそのゴミを取り除いたら、水漏れはしなくなりました。
エアコンから水漏れした原因 その6 『エアコンが逆に傾いている』
これも取り付けした業者さんが原因ですから、自分で直すのは難しいと思います。
ドレンホースがエアコンの右側から出ている場合、水を排出させるために、エアコンを右下がりに傾けて取り付けされる事はよくあります。(もちろん水平に取り付けされるケースもあります)
上の写真では逆に傾けているため、エアコンの左側から水が漏れてきている状態でした。
お客様には取り付けした業者に連絡して、直してもらうようにしてもらいました。
エアコンから水漏れした原因 その7 『パナソニック製のエアコン右側からの水漏れ』
パナソニック製のエアコンの一部で、本体の右側から水漏れするケースがあります。
私も何回か経験していますが、洗浄前は水漏れしていなかったのに、洗浄後に水漏れがしだしました。
最初は原因が分からなかったので焦りましたが、『パナソニック・水漏れ』で検索すると原因が分かりました。
メーカーから水漏れを防ぐ対応パーツ(数百円で買えます)が出ているので、それを取り付けすると水漏れが直ります。
ただし必ずしも水漏れするわけではなく、気まぐれみたいです。
ある業者さんは、『パナソニックのエアコンを100台洗浄して20台ぐらいこの水漏れがした』と仰っていました。
かなり厄介ですが、対応パーツをつければ直ります。

パナソニックのエアコン水漏れについては下記の記事を読んでくださいね
エアコンから水漏れした原因 『エアコンが壁から外れている』

これは私の自宅のエアコンです(笑)
娘と買い物から帰ってきたら、壁についているエアコンが据付板ごと外れていました。
下にはベットがあるのですが、シーツがびちょびちょに濡れていて最悪!!
別に衝撃を与えたわけではなかったのに外れたので、取り行けした業者さんが、きっちり取り付けしていなかったと思います。
仕方なく自分で据付板を壁につけて、エアコンを据付板に引っ掛けて取り付けしました。
エアコンの水漏れであったクレーム
エアコンクリーニングをした後、エアコンから水漏れした場合、お客様からクレームを言われる時があります。
以下は前の大手清掃会社時代にあったクレームです。

エアコンから水漏れして下のテレビが故障したから修理してください!!

布クロスが濡れて変色したじゃないか!全面張り替えして!
テレビのほうは聞いた話なので、その後どうなったか分かりませんが、布クロスは私のお客様でした(-_-;)
壁紙1面だけだと周りと色が合わないので、全面張替えしました。
しかも30帖ぐらいのリビングの全面なので金額は2,30万ぐらいかかったと思います。
こういった例もありますので、エアコンクリーニングをした後の通水確認はしておいたほうがいいです。

もちろん保険で直しましたので免責金額の5万だけ払いました

水漏れって怖いですね(^▽^;)
ハウスクリーニングの業者さんは安心のためにも損害保険に入ってくださいね。
最後に
ここまで「エアコンから水漏れする8つの原因と対応方法」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
実際にはさまざまなケースが存在するものの、最も多いのはやはりドレンホースの詰まりです。
全体の大部分を占めるといってもよく、定期的な清掃や点検を行うことで多くのトラブルは防ぐことができます。
今回ご紹介した8つの原因の中には、専門業者に依頼しなければならないケースもありますが、中にはご家庭でも簡単に対応できるものもあります。
特にドレンホースの詰まりであれば、市販のクリーナーやちょっとした工夫で改善できる可能性が高いです。
また、最後に触れた「エアコン本体が壁から外れてしまう」といったケースは、実際にはほとんど起こらない珍しい事例です。
いわばオチのようなものですが、エアコンの水漏れには幅広い原因があるということを知っていただく一例として紹介しました。
エアコンの水漏れは放置すると、床や家具を濡らしたり、壁紙を傷めたりと大きな被害に発展する可能性があります。
だからこそ、早めに原因を見極め、必要に応じて自分で対処する、あるいは専門業者に相談することが重要です。

専門業者にお願いするなら口コミや料金の比較ができるくらしのマーケットがおすすめです。
この記事を書いた人

清掃業歴20年以上、住宅からオフィスまで多様な現場で実績を積んできたヒデです。
42歳で独立し、開業準備から営業・税務・顧客対応まで経験しました。
このブログでは、独立ノウハウや集客術、現場トラブル解決法を一次情報として発信し、同じ道を目指す方への実践的な指針を提供しています。