ハウスクリーニングの開業に興味を持つ方の中には、比較的始めやすい仕事だと思う方も多いかもしれません。
しかし、実際には準備や工夫が必要で、思った以上にやることが多いのが現実です。
この記事では、開業までの5ステップをわかりやすく整理しながら、情報収集で方向性を固め、資金計画や必要準備、サービス内容や料金体系の設計、そして集客や営業基盤づくりまでをやさしく解説します。
事前に知っておくことで、失敗や後悔を避け、スムーズなスタートにつなげることができます。

ぜひこの記事を参考にして開業の足掛かりにしてくださいね。
この記事を読んでわかること
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開業までの5つの流れと注意点を整理し、準備を段階的に理解できる
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初期費用や道具の全体像をつかみ、ムダをおさえた資金計画を立てられる
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サービス範囲と料金の決め方を学び、選ばれる仕組みを作れる
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集客や口コミの工夫を知り、依頼が続く土台を整えられる
ハウスクリーニングの開業の現実と課題
ハウスクリーニング開業までの5ステップ
ハウスクリーニングの開業を思いつきで始めてしまうと、後になって「あの準備をしておけばよかった」と後悔する場面が出てきやすいものです。
必要な手順を事前に整理せずに進めると、資金不足やサービス内容の不明確さ、集客の不振といった問題につながります。
そこで、開業に必要な流れをあらかじめ5つのステップに分けて考えることが大切です。
この流れに沿って準備を進めれば、全体像を把握しやすくなり、抜け漏れを減らすことができます。
具体的には、最初に市場や需要の情報を集めて方向性を定め、その後に資金計画と必要な準備を固め、サービス内容や料金体系を設計します。
さらに、集客や営業の仕組みを整え、最後に実際の運営と改善を繰り返していくという流れです。各ステップを順番にクリアすることで、開業をより現実的で持続可能なものにすることができます。
このように段階的に整理して取り組む姿勢は、個人事業に限らずあらゆる新規ビジネスの基本とされており、安定したスタートを切るための指針となります。
特にハウスクリーニング業は、個人宅から法人まで幅広い顧客層を対象にできる分、準備不足が事業の成否に直結するため、この5ステップを理解しておくことがとても役立ちます。
ステップ1 情報収集と方向性の決定
最初のステップは情報収集です。
どのようなサービスに需要があるのか、どの地域でどのようなお客さまが多いのか、競合事業者がどのような料金やサービス内容で活動しているのかを具体的に把握することが欠かせません。
例えば、都市部ではエアコンクリーニングや水回り清掃の依頼が多く、郊外や賃貸住宅の多い地域では空室清掃や原状回復クリーニングの需要が高い傾向があります。
情報収集の方法としては、インターネット上の検索結果や口コミサイトを調べるだけでなく、不動産会社や管理会社に直接問い合わせることも有効です。
また、総務省統計局が公表している世帯数や住宅動態に関する統計データ(出典:総務省統計局『住宅・土地統計調査』)を確認することで、地域ごとの世帯構成や住宅事情を客観的に把握することができます。
こうした一次情報は信頼性が高く、事業方針を固める際の根拠になります。
情報を集めたあとは、自分の事業の方向性を明確にします。例えば、
- 個人宅向けに幅広くサービスを提供する
- 不動産会社と提携して空室クリーニングに特化する
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法人契約を中心に定期清掃を行う
といった方針です。
方向性を定めることで、必要な準備や投資の範囲がはっきりし、資金計画や集客戦略の立案もスムーズに進みます。さらに「取り扱わないサービス」を明示することも重要です。
高所作業や特殊清掃など、自分の設備やスキルに合わない分野は最初から線引きをしておくと、トラブルやリスクを避けることができます。

私もゴンドラやロープを使っての高所のガラスや特殊清掃(人が亡くなった後の掃除)は知り合いの業者さんにお願いしていますよ。
方向性が決まれば、その後の計画は具体性を増し、無駄な試行錯誤を減らすことができます。つまり、情報収集と方向性の決定は、開業準備全体の土台となるもっとも大切なステップなのです。
ステップ2 資金計画と必要準備の確認
事業を安定して始めるためには、資金計画を早い段階で具体的に立てることが欠かせません。
ハウスクリーニング業は比較的低コストで始められるといわれますが、実際には初期費用とランニングコストの双方をしっかり見積もっておかなければ、思わぬ赤字に直面する可能性があります。
特に開業直後は収入が安定しにくいため、資金の余裕を持たせることが安心につながります。
初期費用には、エアコン高圧洗浄機や業務用掃除機、ポリッシャーなどの機材、洗剤やブラシなどの消耗品、車両の購入またはリース代、開業時の広告宣伝費(チラシ印刷やウェブサイト制作など)が含まれます。

一般家庭をターゲットにするなら業務用掃除機やポリッシャーなどはいらないと思います。最初に取り扱わないサービスを決めコストを抑え、徐々にサービスを増やしていくのもアリですよ。
これらを合計すると、小規模でも数十万円から100万円前後かかるケースが一般的です。
さらに、毎月かかるランニングコストとしては、燃料費、駐車場代、洗剤や備品の補充費用、広告費、保険料、通信費などがあり、これらは毎月数万円単位で発生します。
特にガソリン代や消耗品のコストは案件数が増えるほど比例して増加するため、長期的な視点で見積もる必要があります。
準備の面では、金銭的なもの以外にも整えておくべき事項があります。
例えば、見積書や請求書のひな形を作成しておくことで、初めての依頼でもスムーズに対応できます。
また、作業マニュアルを作り、作業ごとの所要時間や使用する洗剤の種類、注意点を標準化しておくと、効率化と品質の安定につながります。
さらに、トラブル対応のルールを決めておくことも重要です。
清掃中の破損やお客さまからのクレームが発生した場合、対応をその場の判断に任せると事業への信頼性を損なう恐れがあるため、事前に対応フローを整理しておくと安心です。
加えて、損害賠償保険や労災保険などの加入も検討しておく必要があります。作業中の事故や器物破損に備える保険は、顧客に対しての信頼性を高める要素にもなります。

損害賠償保険については下記に記事を参考にしてね。

このように、資金計画と必要準備をあらかじめ丁寧に整理しておくことで、開業後の予期せぬトラブルや資金不足のリスクを大幅に減らすことができます。
資金の見通しと準備体制を整えておくことが、不安を軽減し、安心して事業をスタートできる最大のカギとなるのです。
初期費・運転費の整理表(例)
費目 | 計上タイミング | 主な内容 |
---|---|---|
機材・洗剤 | 初期/随時 | エアコン高圧洗浄機、ポリッシャー、洗剤一式 |
車両・移動 | 初期/運転 | 車両購入またはリース、燃料、駐車場 |
事業基盤 | 初期 | 開業届関連、名刺、チラシ、ウェブ制作 |
保険 | 初期/運転 | 損害賠償責任保険、労災特別加入等 |
集客 | 運転 | 広告、ポータル手数料、SEO/コンテンツ運用 |
通信・管理 | 運転 | スマホ、クラウド会計、予約管理ツール |

表で表すと↑の感じになります。
ステップ3 サービス内容と料金体系の設計
どの範囲の作業をサービスに含めるかを明確にすることは、顧客の安心感や信頼感を得るために非常に大切です。
ハウスクリーニングでは「ここまでが料金に含まれる」「ここからは追加料金が発生する」という線引きが曖昧だと、トラブルや不信感につながることがあります。
例えば、浴室クリーニングではエプロン内部は含まれているか、換気扇は分解洗浄まで対応するかで料金が大きく変わります。こうした作業範囲を事前に提示することで、お客さまは安心して依頼できるようになります。

上記は私のチラシですが、2枚目のように作業箇所を明記しています。
見積時でも含まれている箇所、含まれていない箇所を説明するようにしてます。

なるほど、説明することでトラブルも防げますよね。
料金体系の設計においては、シンプルさと柔軟性の両立が重要です。
単品料金は分かりやすく、相場比較がしやすいため集客の入り口になります。一方で、セット料金や定額プランは客単価を上げやすく、リピート獲得にも効果的です。
たとえば「キッチンとレンジフードのセット割引」「月1回訪問の定期清掃プラン」などは、実際に利用する顧客の心理的なハードルを下げる工夫となります。
さらに料金設計の裏付けとして、作業時間や使用資材のコストを数値化して把握しておく必要があります。
例えば、1時間の作業にかかる人件費や洗剤の消費量を計算し、最低限確保すべき粗利益を逆算して料金に反映させます。
こうしたコスト管理がなければ、受注件数が増えても利益が出ないという事態に陥る危険があります。
近年では環境に配慮したエコ洗剤を使うケースも増えており、そのコストは一般的な洗剤より高くなる場合がありますが、顧客満足度や信頼性を高める要素になります。

私もエアコンクリーニングの洗剤はエコ洗剤を使ってますよ。
このように、サービス内容と料金体系の設計は単なる「価格設定」ではなく、顧客満足度と事業の継続性を左右する基盤です。
具体的な数値と根拠を持ちながら、誰にでも分かりやすく提示することが信頼と選ばれる理由につながります。
ステップ4 集客・営業基盤の構築
開業後に最も大きな課題となるのが「どうやって顧客に知ってもらうか」という点です。
いくら質の高いサービスを準備しても、認知されなければ仕事は始まりません。
短期的には、ハウスクリーニングの比較サイトやマッチングポータル、地域向けのチラシ配布が効果的です。こうした手段は即効性があり、口コミやレビューの積み重ねにつながります。
一方、中長期的には自社サイトやGoogleビジネスプロフィールの活用が欠かせません。
地域名やサービス名で検索した際に表示されやすくする「ローカルSEO対策」を行うことで、安定的な集客が可能になります。

例えば『〇〇市 エアコンクリーニング』で検索して自社のホームページが1ページ目にあがってくると、それだけで依頼がかなり来ます。
具体的には、清掃事例の写真を定期的に更新する、営業時間や料金を明確に記載する、顧客レビューに丁寧に返信するなどの取り組みが評価されやすいポイントです。
営業基盤の整備においては、単に集客するだけでなく、お問い合わせから作業完了までの流れをスムーズにすることが重要です。
例えば、問い合わせフォームはシンプルで入力しやすい設計にし、見積提示は迅速かつ明確に行うことが望まれます。
当日の作業では挨拶や説明を欠かさず、作業後には簡単なアフターフォローを実施すると、信頼が積み重なりリピーターにつながります。
また、顧客情報や案件進行を管理するために、簡易な顧客管理システムやクラウド会計ソフトを導入するのも効果的です。
作業件数が増えると、手書きやエクセル管理では抜け漏れや請求の遅れが生じやすくなります。デジタルツールの活用により、効率と正確性を両立できます。
さらに、地域の不動産会社や引越し業者、介護関連施設などとの提携も営業基盤を強化する有力な手段です。これらの業者は定期的に清掃ニーズを抱えているため、安定的な受注につながる可能性があります。

私は
- 不動産会社
- 電気屋さん
- リフォーム会社
- 清掃会社
- ケアマネージャー
- なんでも屋さん
等と提携していてお掃除の紹介をいただいています。
このように、集客と営業基盤は「短期の即効性」と「長期の安定性」を組み合わせて考えることが肝心です。
開業直後の勢いを維持しながら、継続的に選ばれる仕組みを作ることで、事業はより堅実な成長を遂げることができます。
チャネル | 立ち上がり | 運用負荷 | 費用感 |
---|---|---|---|
自社サイト | 中 | 中 | 中 |
Googleビジネスプロフィール | 速 | 低 | 低 |
ポータルサイト | 速 | 低 | 中 |
チラシ・ポスティング | 中 | 中 | 中 |
口コミ・紹介 | 遅 | 低 | 低 |

ちなみにうちはチラシと紹介のみで、一切営業はしていないです。