
- エアコンクリーニング中の故障や破損が起きたときの正しい対処法が分からない
- ハウスクリーニングのトラブルが保険でどこまで補償されるのか知りたい
- お客様への報告や謝罪のタイミングと伝え方に不安がある
- 自分の作業ミスか判断できず再発防止策が分からない

このような悩みや疑問にお答えします
ハウスクリーニングのトラブルやクレーム対応って、考え出すとちょっと怖くなりますよね。
エアコンクリーニングの作業中に故障させてしまったらどうしよう、壁やフローリングを傷つけたらどうなるんだろう、賃貸物件なら原状回復費用はどうなるんだろう…と不安になる気持ち、すごくよく分かります。
実際にハウスクリーニングのクレームやトラブル事例を調べてみると、作業ミスによる破損や設備の故障、賃貸の原状回復をめぐるトラブル、料金トラブル、損害賠償や保険をめぐる行き違いなど、現場で起こりがちなケースが本当にたくさん出てきます。
経験が浅い時期ほど、どこまでが自分の責任なのか、どこからが保険でカバーできるのか、オーナーさんや管理会社がどう絡んでくるのかも分かりづらく、「これで合っているのかな?」とモヤモヤしやすいところですよね。
この記事では、私が実際にエアコンクリーニングの現場でやらかしたハウスクリーニングのトラブル体験を、良いところも悪いところも含めてすべてお話しします。
ルーバーが最後まで閉まらなくなった原因や、メーカー修理の流れ、かかった費用、損害保険の使い方だけでなく、「なぜその判断をしたのか」「感情的にどう感じたのか」といったリアルな部分も包み隠さず書いていきます。
同じ失敗を避けたいあなたの参考になるかなと思います。
ハウスクリーニングのトラブルに不安がある人も、これから独立開業してエアコンクリーニングの仕事を増やしていきたい人も、「もしもの時にどう動けばいいか」がイメージできる内容になっています。
リスクをゼロにはできませんが、準備と心構え次第でダメージをぐっと小さくすることはできますよ。
この記事を読み終わる頃には、「怖いけど、ちゃんと備えれば何とかなるかも」と思ってもらえたらうれしいです。
【この記事を読んでわかること】
- エアコンクリーニング現場で実際に起きたトラブルの具体的な流れ
- ルーバーが最後まで閉まらなくなった原因と私なりの考察
- メーカー修理にかかった費用と損害保険で対応した実例
- 同じハウスクリーニングトラブルを防ぐためのチェックポイント
エアコン現場で起きたハウスクリーニングのトラブル事例
ここからは、私が実際に体験したエアコンクリーニング中のトラブルを、できるだけ具体的に、時系列で振り返っていきます。
作業前の確認、分解洗浄の進め方、トラブルに気づいたタイミング、そしてお客様やメーカーへの対応まで、現場で何が起きたのかをイメージしながら読んでみてください。
「もし自分だったらどうするか?」と考えながら読んでもらえると、かなり実践的な学びになるはずです。
ルーバーが最後まで閉まらなくなった
画像出典:筆者
このトラブルが起きたのは、同業のハウスクリーニング仲間(女性・一人親方)から紹介してもらった、一般家庭のエアコンクリーニングの現場でした。
紹介案件って、自分で取った仕事とはまた違うプレッシャーがありますよね。
「紹介してくれた人の顔もつぶせないし、しっかりやらないと」と、普段以上に気を引き締めて現場に向かいました。
お伺いしたのは、家族でお住まいのマンションのお部屋。
リビングに設置されたエアコンのクリーニングのご依頼でした。
対象のエアコンは、フィルター自動おそうじ機能付きで、分解もしやすいタイプ。
年式としてはそこまで新しくはありませんが、一般的によく出回っている機種です。
まずはいつも通り、作業前に動作確認を行います。
ここをサボると本当に痛い目を見るので、一つひとつ丁寧に確認していきます。
お客様との会話をしながらでも、手と目はしっかり動作チェック、という感じです。
作業前にチェックしたポイント
この時点では特に気になるところはなく、「これはスムーズに終わりそうだな」と正直ちょっと油断していました。
リビングも広く、作業スペースも取りやすかったので、「この現場はやりやすいな」と感じていたのを覚えています。
それから、いつも通り脚立を立てて、エアコンの前面パネルやフィルター、おそうじユニットなどを順番に外していきました。
外したパーツはお風呂場をお借りして洗浄し、熱交換器やドレンパン、本体内部も洗浄。
ここまでは、本当に何事もなく順調。
作業全体としてもかなりいいペースで、「1時間半ぐらいで終われるかな」と心の中で時間の計算をしていました。
ところが、組み立てを終えて最後の動作確認をしたところで異変に気づきます。
電源を入れてモードを切り替え、ルーバーの動きをチェックしていると、ルーバーが途中までしか閉まらず、最後までピタッと閉じてくれないのです。
「あれ?さっきまで普通に動いてたよな…?」と、背中にスッと冷たいものが走りました。
「水はかかっていないのに…」という違和感
ルーバーを動かす左右のモーターは分解時に外しており、洗浄の水が直接かかっていないのは自分でも確認済みでした。
それでも、ルーバーの動きが明らかにおかしい。
途中まで下がってはくるものの、最後の一押しで止まってしまい、どう頑張っても完全に閉じてくれません。
その場でまず疑ったのは、組み付けミスです。
ルーバー本体の向きや軸の噛み合わせをもう一度すべて外して確認し、取り付け直しました。
さらに、ルーバーの角度や範囲設定がズレていないか、リモコンの設定も含めてチェック。
それでも、症状は変わりません。
そこからは、
- 一度メインの電源プラグを抜いてリセットしてから再起動
- 風向の初期位置に戻るかどうかの確認
と、考えられる範囲のことを一通り試しましたが、どうしても最後まで閉まらない状態は変わりませんでした。
時間だけがどんどん過ぎていき、「これは自力では厳しいかもしれない」と認めざるを得ない段階に来たな…と感じました。

「水はかかっていないから大丈夫」と思い込まず、分解・組み立ての段階でモーターやギアに無理な力をかけていないかを、もっと慎重に確認すべきでした。作業に慣れてくると、「この機種はいつもこうだから」と手が先に動いてしまいがちですが、そこに落とし穴があります。
お客様・紹介者への報告と謝罪
このままごまかすわけにはいきません。
紹介案件ということもあり、私の中ではかなりのプレッシャーもありましたが、その場でお客様に正直に状況をお伝えし、謝罪しました。
お客様には、
を、できるだけ落ち着いた口調で、順番にお話ししました。
ここで大切なのは、言い訳を並べないことと、お客様に「どうしますか?」と丸投げしないことだと思っています。
「私の方でメーカー修理を手配します」「費用はこちらで負担します」と、自分からはっきり提案することで、お客様の不安はかなり軽くなります。
同時に、この現場を紹介してくれた同業の仲間にも連絡を入れ、状況と私の対応方針を詳しく報告しました。
紹介案件でトラブルが起きたときは、「後から聞かされた」にならないよう、早め早めの共有がとても大事です。
お客様と紹介者、両方に対して誠実に動くことで、「この人にならまた任せてもいいかな」と思ってもらえる土台ができていきます。
メーカーに修理をしてもらった結果
お客様から修理の了承をいただいたあと、その場でメーカーの修理受付窓口に電話をしました。
最近はインターネットからも修理依頼ができますが、こうしたトラブル時は、電話で状況を口頭説明したほうがスムーズだと感じています。
担当オペレーターの方にも、作業経緯や症状をできるだけ詳しく伝えました。
受付の段階では、
などを説明し、訪問可能な日程を調整しました。
お客様のご都合もあるので、スケジュール調整は必ずその場で一緒に行うようにしています。
故障の原因と交換した部品
後日、メーカーのサービスマンが訪問し、実際にエアコンを分解して診断してくれました。
ルーバーの左右にはそれぞれ独立したモーターが付いていて、診断の結果、左右両方のモーターを交換することで症状が解消しました。
サービスマンの方の話では、
「水がかかっていないのであれば、なぜモーターが不具合を起こしたのか断定は難しいですね。」
とのことでした。
ただ、内部のギアやシャフトの位置関係が微妙にズレていた可能性や、モーターの軸に過度な力がかかった可能性はあるとのこと。
私自身も、ルーバーを外す際や取り付けの際に、モーターやギア部分に余計な負荷をかけてしまったという感覚があります。
プロとしては、「よく分からないけど壊れました」では済みません。
原因がはっきり分からないケースでも、自分の作業プロセスのどこにリスクがあったかを振り返ることが、次のトラブル防止につながります。
たとえば、
- モーターを外すときに、無理にこじっていなかったか
- 取り付けの際に、ルーバーの位置決めを雑にしていなかったか
- 「いつも通り」の感覚で作業して、確認を省略していなかったか
こういった点を一つずつ洗い出していくと、「次からはここを変えよう」という具体的な改善点が見えてきます。
「メーカーに丸投げしない」立ち会いの大切さ
ここでひとつ、私が大事にしているポイントがあります。
それが、メーカー修理に丸投げしないことです。
「メーカーさんが来てくれるので、あとはお任せしますね〜」と現場を離れてしまうのは、一見楽ですが、プロとしてはもったいないなと感じています。
このあたりを押さえておくと、自分のスキルアップにもつながりますし、お客様の安心感も全然違ってきます。
「ちゃんと責任を持って対応してくれているな」と感じてもらえるかどうかは、こうした細かい姿勢の積み重ねだと実感しています。
また、メーカーのサービスマンからは、最新の注意事項やリコール情報などを教えてもらえることもあります。
設備や家電に関する注意喚起や製品安全情報は、消費者向けには独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)などの公的機関からも発信されていますが、現場の最前線にいる人と直接話すことで、より「実務に落とし込める」形で学べるのが大きいです。
こうした公的機関の情報も参考になりますが、最終的には、自分の現場でどう活かすかがポイントかなと思います。
修理代はいくらかかったのか

画像出典:筆者
ここが一番気になるところだと思いますので、実際にかかった費用も共有しておきます。
| 項目 | 内容 | 金額(税込の目安) |
|---|---|---|
| 部品代 | ルーバーモーター 3,600円 × 2個 | 7,200円 |
| 技術料 | モーター交換・動作確認 | 9,600円 |
| 出張費 | メーカーサービス訪問 | 3,500円 |
| 合計 | 20,300円 |
ざっくり言うと、「2万円ちょっと」のレベルのトラブルです。
金額だけ見ると、「思ったより高いな…」と感じるかもしれませんが、エアコンの基板交換や熱交換器の交換などに比べると、まだ軽症の部類だと思います。
それでも、独立したてで売上が安定していない時期に、自腹で2万円以上の出費はなかなかきついですよね。
保険でカバーできたからこその学び
このケースでは、修理費用はすべて損害賠償保険(請負業者賠償責任保険)を使って対応しました。
お客様に直接負担していただくことはもちろんありませんし、こちらの実費負担もありませんでした。
保険会社へは、
といった情報を提出し、所定の審査を経て保険金が支払われました。

こうした物損トラブルの備えとしては、ハウスクリーニングの保険で失敗しないための補償内容と実例ガイドでも詳しくまとめています。開業前後の方は、一度じっくり目を通しておくことをおすすめします。
同じハウスクリーニングトラブルを防ぐためにできること
ここからは、今回のエアコントラブルの経験を踏まえて、これから独立開業を目指す人や、すでに現場に出ている人が「同じ失敗をできるだけ減らすために」意識しておきたいポイントをまとめていきます。
技術面だけでなく、保険やお客様対応、メンタル面も含めてトータルで考えることが大事かなと思います。
「怖がりすぎて何もできない状態」から、「リスクはあるけど、その分の備えはしてある状態」にステップアップしていきましょう。
分解しすぎない勇気を持つ
エアコンクリーニングに慣れてくると、「ここも外したほうがキレイになるし、やっておこう」と、つい分解範囲を広げがちです。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
汚れにしっかり向き合う姿勢は、お客様から見てもプロらしいですし、仕上がりの満足度も上がります。
ただ、構造を把握しきれていない部分まで無理に分解するのは大きなリスクです。
「もし壊したらどう動くか」を決めておく
どれだけ気をつけていても、現場でのトラブルをゼロにすることはできません。
大事なのは、「起きてから慌てる」のではなく、「起きたらこう動く」と事前に決めておくことです。こ
れは、技術力とはまた別の「経営者としての準備」に近いかもしれません。
特に、お客様への第一報の伝え方は本当に大事です。
隠したり、ごまかしたりすると、後々もっと大きなクレームに発展しやすくなります。
逆に、その場で正直に話し、誠意をもって対応する姿勢を見せると、意外なほどスムーズに納得してもらえることも多いです。
保険は「なんとなく」ではなく、内容を理解して入る
請負業者賠償責任保険やフリーナンスなど、個人事業主向けの損害保険サービスはいろいろありますが、名前だけで選ぶのではなく、補償内容や免責、支払条件をきちんと理解しておくことが大切です。
「なんとなく安心そうだから入っておこう」だと、いざという時に「このケースは対象外です」と言われてガッカリ…なんてことにもなりかねません。
私自身、物損トラブルで保険に助けられた経験が何度かあります。
そのあたりの具体的な話は、
で詳しく書いていますので、保険選びで迷っている方は参考にしてみてください。
失敗談を「隠す」より「共有する」スタンスで
ハウスクリーニングの現場でのトラブルって、正直あまり表に出したくない話ですよね。
自分のミスを認めることになりますし、「プロなのに失敗するの?」と思われるのも怖いです。
でも、私は、失敗談こそが一番リアルで役に立つ教材だと思っています。
このブログでも、浴室やレンジフード、カーペットなど、いろんな現場でのやらかしを記事にしています。
例えば、ハウスクリーニングの現場でやらかしたトラブル&クレーム 浴室編 その1では、失敗からの逆転劇も含めて、かなり生々しい話を書きました。
これから独立開業を目指すあなたには、「失敗してもきちんと向き合えば大丈夫」という感覚を持っておいてほしいなと思っています。
完璧を目指すのではなく、トラブルが起きても、誠実に対応して信頼を取り戻せる力を育てていくイメージです。
そのための材料として、私のやらかしエピソードをどんどん使ってもらえたらうれしいです。
さいごに
今回は、エアコンクリーニングの現場でルーバーが最後まで閉まらなくなってしまった、私自身のハウスクリーニングトラブル体験を、できるだけ具体的にお話ししました。
読んでみて、「ちょっと怖いけど、準備しておけば何とかなるかも」と感じてもらえていたらうれしいです。
改めてポイントをまとめると、
- 作業前の動作確認をしっかり行い、「作業前は正常だった」という証拠を自分の中に持っておくこと
- 分解しすぎない勇気を持ち、構造を理解していない部分には無理に手を出さないこと
- トラブルが起きたら正直に伝え、早めに動き、お客様と紹介者の両方に誠実に対応すること
- 物損リスクに備えて保険をきちんと整え、補償内容を理解したうえで活用できる状態にしておくこと
このあたりを押さえておけば、同じようなトラブルが起きても、大事故になる前に食い止められるはずです。
もちろん、私も完璧な人間ではないので、これからも現場でヒヤッとすることはきっとあります。
それでも、「ミスをゼロにする」より「ミスが起きてもきちんと対応できる体制を作っておく」ことが、長く仕事を続けていくうえで一番大事だと感じています。
この体験談が、あなたのハウスクリーニングライフの「リスクを減らすヒント」になればうれしいです。
現場で落ち込むことがあっても、「あ、ヒデもこんな失敗してたな」と思い出してもらえたら、少しは気持ちが楽になるかもしれません。
また別の記事でも、別ジャンルのやらかしエピソードをたっぷり共有していきますので、よかったらそちらも読んでみてくださいね。
\実際に現場で使っているハウスクリーニングおすすめ洗剤&道具/
独立開業を目指すとき、最初に悩むのが「どんな洗剤や道具を揃えればいいのか」「経理や顧客管理はどうするのか」、そして「一人で不安になったときに頼れる場所があるのか」という点ではないでしょうか。
私自身、開業当初は同じように迷い、必要のないものを買ってしまったり、逆に本当に必要な道具が抜けていて現場で困った経験があります。
また、事務作業に追われて時間を失ったり、孤独感に押しつぶされそうになったこともありました。
そうした失敗や試行錯誤を経て、「これだけは導入してよかった」と胸を張っておすすめできるものがいくつかあります。
それが 『洗剤・道具・会計ソフト・コミュニティ 』の4つです。
これらを揃えることで、作業効率が大きく向上し、顧客からの信頼も得られ、さらには安心して長く続けられる基盤が整いました。

私が現場で実際に使って「これは間違いなく役に立つ」と感じたものだけをまとめました。これから独立開業される方の参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
👉 『【保存版】独立開業して分かった!ハウスクリーニング必須アイテム』を詳しく見る
【この記事を書いた人】

清掃業歴20年以上、累計1万件以上の現場を経験。
大手清掃会社に14年間勤務し、現場管理やスタッフ育成、顧客対応を通じて豊富なノウハウを習得。
42歳で独立後は、住宅・オフィス・店舗清掃を中心に活動中。
このブログでは、清掃業での独立ノウハウ、集客術、現場トラブル解決法などを実体験に基づいて発信しています。

