
- 下請けの仕事で忙しいのに利益が残らない
- 単価が安くても仕事がなくなるのが怖くて断れない
- 自分のお客様を増やしたいけれど営業方法が分からない
- 下請け脱却は何から始めればいいのか知りたい

このような悩みにお答えします。
下請けの仕事で予定は埋まっているのに、思ったほど利益が残らない。
そんな状態が続くと、「この働き方をこの先も続けて大丈夫かな」と不安になりますよね。
私も独立当初は、下請けと自分で取った仕事が半々くらいの状態からスタートしました。
そこから少しずつ直請けを増やし、約2年後には自分の仕事だけで回せるようになりました。

この記事では、下請けをいきなり全部やめるのではなく、売上を守りながら直請けを増やしていく方法を、私の経験も交えてわかりやすく解説します。

【この記事を読んでわかること】
- 下請けで忙しいのに利益が残りにくい理由
- 下請けを残したほうがいいケースと減らす判断基準
- 下請け脱却を進める具体的な手順
- ホームページ・名刺・チラシ・紹介を使った直請けの増やし方
ハウスクリーニングの下請けで儲かりにくい理由と脱却前の考え方
最初にお伝えしたいのは、下請けそのものが悪いわけではないということです。
独立したばかりの頃は、まだ自分のお客様が少なく、ホームページを作ってもすぐに仕事が増えるとは限りません。
そんな時期に元請けや同業者から仕事を紹介してもらえるのは大きな助けになります。
私も独立当初は下請けの仕事に助けられました。
ですから、下請け脱却を考えるときも「全部やめるか、続けるか」の二択ではなく、条件のいい仕事は残しながら、自分の仕事を増やすという考え方が現実的かなと思います。
下請けにはメリットもある
下請けの一番のメリットは、自分で集客しなくても仕事が入ることです。
独立直後は、営業や広告に慣れていない人も多いです。
そんなとき、元請けから仕事を回してもらえれば、現場経験を積みながら売上を作れます。
特に、まだ自社集客が安定していない段階では、下請けは売上の土台として役立ちます。
そのため、「下請け=悪い働き方」と決めつける必要はありません。
問題は下請けだけで予定が埋まってしまうこと
下請けで注意したいのは、仕事がある安心感から、自分で営業する時間を失ってしまうことです。
毎日予定が埋まっていると、一見すると経営は順調に見えます。ただし、その仕事がすべて元請けからの紹介なら、自分の屋号や口コミ、お客様との関係はなかなか蓄積しません。
元請けの事情で案件が減ったとき、そこで初めて「自分で仕事を取らないといけない」と気づくケースもあります。
ホームページもない。名刺もない。チラシも配っていない。過去のお客様のリストもない。
この状態から急に集客を始めるのは大変です。
だからこそ、下請けの仕事があるうちに、自分の仕事を少しずつ作っておくことが大切です。
下請けは単価だけで判断しない
下請けで「儲からない」と感じるとき、まず単価に目がいきます。
もちろん単価は重要です。ただ、実際の利益は受注金額だけでは決まりません。

例えば、1件15,000円の仕事でも、片道1時間半かかり、駐車料金が2,000円、作業が4時間なら、時間あたりの利益はかなり下がります。
逆に、金額が少し低めでも、自宅から近く、同じマンションで数室まとめて作業できるなら効率がいい場合もあります。

「1件いくら」ではなく、移動まで含めて何時間使い、いくら残るかを見ることが大切です。
直請けと下請けの違いを整理する

| 項目 | 直請け | 下請け |
|---|---|---|
| 料金設定 | 自分で決められる | 元請けの条件に合わせることが多い |
| 集客 | 自分で行う | 元請けから紹介される |
| 顧客との関係 | 自分に蓄積する | 基本的には元請けの顧客 |
| リピート | 自社につながりやすい | 自社にはつながりにくい |
| 営業の手間 | 必要 | 少ない |
| 利益 | 高くできる可能性がある | 条件によっては低くなりやすい |
直請けは利益を取りやすい一方で、営業、見積もり、問い合わせ対応、クレーム対応まで自分で行います。
下請けは利益が低くなることがありますが、営業しなくても仕事を紹介してもらえるメリットがあります。
どちらか一方が絶対に正しいわけではありません。大切なのは、今の自分にどちらが必要かを判断することです。
下請けを減らす前に取引条件を確認する
「単価が安いから、この元請けはもう切ろう」と考える前に、一度取引条件を整理してみてください。
何年も同じ条件で受けていて、燃料費や材料費だけが上がっているなら、条件を相談できる可能性もあります。
作業単価そのものを上げてもらうのが難しい場合でも、「駐車料金を実費にできませんか」「遠方だけ交通費をいただけませんか」と、項目ごとに相談する方法もあります。
条件が少し改善するだけで、無理に取引を切らなくても済むことがあります。
直請けで選ばれるには技術だけでは足りない
下請けの場合、元請けの会社名や看板が信用の一部になっています。しかし直請けになると、お客様はあなた自身を見て判断します。
特に一般家庭では、「どんな人が家に来るのか」「追加料金はないか」「何か壊れたときは大丈夫か」といった不安があります。
そのため、直請けを増やすには清掃技術だけでなく、安心感を見せることが重要です。

このあたりをホームページやチラシで見せておくだけでも、「どこの誰か分からない掃除屋さん」から「一度相談してみようかなと思える業者」に変わっていきます。
法人営業と一般家庭では伝える内容を変える
下請け脱却を目指して営業を始めるなら、法人と一般家庭を同じ方法で攻めないほうがいいです。
相手が重視しているポイントが違うからです。
| 対象 | 重視されやすいこと | 伝えたい内容 |
|---|---|---|
| 不動産会社・管理会社 | 納期・品質・報告 | 空室対応、作業スピード、報告方法 |
| 病院・店舗・施設 | 継続性・安全性 | 作業可能時間、定期対応、保険 |
| 一般家庭 | 安心感・分かりやすさ | 顔写真、料金、口コミ、施工事例 |
不動産会社なら「連絡にすぐ対応できる」「写真付きで完了報告できる」「空室清掃とエアコンをまとめて頼める」など、担当者の手間を減らせることが強みになります。
一般家庭では、顔写真や料金、口コミ、作業内容など、依頼前の不安を減らす情報が大切です。
下請け脱却を無理なく進める具体的な方法
ここからは、売上を大きく落とさずに下請けの割合を減らしていく流れを解説します。
ポイントは、下請けを先に減らさないことです。
先に直請けの受け皿を作り、自分の仕事が増えた分だけ条件の悪い下請けを減らしていきます。
まず下請けと直請けの利益を数字で比較する
最初にやってほしいのが、現在受けている仕事の本当の利益を確認することです。
売上だけではなく、作業時間、移動時間、駐車料金、ガソリン代、洗剤なども含めて見ます。
例えばイメージとして、下請けエアコン1台4,000円、変動費1,000円、移動を含めた総時間2時間なら、残る金額は3,000円です。
単純に時間で割ると1時間あたり1,500円になります。
一方、直請け1台10,000円、変動費1,500円、総時間2時間なら8,500円残るため、1時間あたり4,250円です。
もちろん、これは説明用の例です。実際の料金や経費は現場によって違います。
大切なのは、あなた自身の数字で比較することです。

青色申告ソフトを比較してから決めたい方は、個人事業主の青色申告のおすすめソフト比較表と選び方完全ガイドも参考にしてください。
下請け案件を3つに分ける
数字を確認したら、現在の下請け案件を次の3つに分けてみてください。
- 残したい仕事:利益が取れて、移動も少なく、関係も良好
- 条件を相談したい仕事:仕事はありがたいが単価や交通費が厳しい
- 減らしたい仕事:拘束時間が長く、利益も少なく、将来につながりにくい
下請け脱却といっても、すべての元請けとの関係を切る必要はありません。
利益が取れて、信頼関係もあり、無理なく続けられる仕事なら残していいと思います。
反対に、利益が少ないのに毎週多くの時間を取られている仕事は、直請けが増えたときに優先して減らす候補になります。
直請けの受け皿を先に作る
営業を始める前に、問い合わせが来たときの受け皿を用意します。
最低限、次の内容は決めておきたいです。
完璧なホームページを作ってから営業する必要はありません。
まずは「誰が、どんな掃除を、いくらくらいでしてくれるのか」が分かる状態を作ってください。
ホームページを直請けの営業担当にする

直請けを増やすなら、ホームページはかなり相性がいいです。
チラシを見た人、名刺をもらった人、知人から紹介された人が、依頼前に屋号や名前を検索することもあります。
そのときにホームページがあり、顔写真、料金、サービス内容、施工事例まで確認できれば、問い合わせのハードルを下げやすくなります。


ホームページだけでなく、チラシ、紹介、マッチングサービスなども含めて集客方法を知りたい方は、ハウスクリーニング集客完全ガイド|仕事を増やす方法も参考にしてくださいね。
名刺とチラシで地域の直請けを増やす
ネット集客が増えても、ハウスクリーニングのような地域密着の仕事では名刺やチラシも使えます。
特におすすめなのが、紙だけで完結させず、ホームページにつなげる方法です。
チラシにQRコードを載せておけば、興味を持った人が施工事例やプロフィールを確認できます。
名刺には、屋号、氏名、電話番号、メールアドレス、主なサービス、対応エリア、ホームページやLINEへのQRコードなどを載せておくと使いやすいです。
法人営業で使うなら、「空室清掃」「エアコンクリーニング」「定期清掃」など、自分が取りたい仕事が分かるようにしておくと話のきっかけになります。

名刺作成については、名刺作成におすすめの選び方と独立直後に失敗しない実践コツでも紹介しています。
チラシでは、料金だけを大きく出しすぎると価格競争になりやすいです。
私は、顔写真、あいさつ、料金の目安、ビフォーアフター、お客様の声、対応エリア、問い合わせ先をバランスよく入れるほうがいいと思います。
SNSは信頼確認の場所として使う
SNSも直請けを増やす入口になりますが、毎日投稿しないといけないわけではありません。
現場仕事をしながら毎日更新するのは大変です。
それより、ホームページを見た人がSNSへ来たときに、「この人、本当に現場で仕事しているんやな」と分かる内容を残しておくことのほうが大切です。
投稿からホームページや問い合わせ先へ移動できるようにしておけば、SNSだけで売り込まなくても営業導線になります。
直請けが増えた分だけ下請けを減らす

ここが下請け脱却で一番大事です。
まだ直請けが増えていないのに、先に下請けを断るのはおすすめしません。
先に直請けを増やします。そして、自分の仕事が入るようになった分だけ、条件の悪い下請けを減らしていきます。
この順番なら、売上を急に落とすリスクを抑えられます。
| 段階 | 直請けの目安 | やること |
|---|---|---|
| 準備期 | まだ少ない | 利益計算、料金表、ホームページ、名刺を整える |
| 初期 | 2割前後 | チラシ、紹介、営業、施工事例を増やす |
| 成長期 | 4~5割前後 | リピート、紹介、定期顧客を増やす |
| 安定期 | 過半数 | 条件の悪い下請けから順番に減らす |
「直請けが何%になれば下請けをやめていい」という絶対的な基準はありません。

私は割合だけでなく、翌月以降の予約、定期顧客、生活費、事業固定費、繁忙期と閑散期まで見て判断したほうがいいと思います。
下請け脱却で失敗しやすいパターン
下請けを減らせば、自動的に利益が増えるわけではありません。
直請けにも営業や事務作業が必要です。
特に注意したいのが、直請けなのに下請けと同じような安い料金で受けてしまうことです。
直請けは、集客、問い合わせ、見積もり、請求、クレーム対応まで自分で行います。
作業時間だけを見て料金を決めると、「直請けになったのに全然ラクにならない」ということもあります。
協力会社とのつながりも作っておく
直請けが増えてくると、今度は一人では対応できない仕事が出てきます。
そんなときに助かるのが、信頼できる同業者や協力会社です。
私は、電気工事業者、リフォーム業者、不動産会社、ふすま屋さんなど、いろいろな業種の方とつながっています。
仕事を紹介してもらうこともあれば、こちらから紹介することもあります。
大切なのは、「仕事をください」とお願いするだけではなく、こちらからも相手に役立つことをすることです。
紹介できる仕事があれば紹介する。困っている現場があれば協力する。
そういう積み重ねから、少しずつ仕事のやり取りが生まれていきます。

協力会社の探し方は、ハウスクリーニングの協力会社の見つけ方と活用術で売上を伸ばす方法で詳しく紹介しています。
私が下請け中心から自分の仕事100%になるまで
私自身、独立したときから自分の仕事だけで回していたわけではありません。
独立当初は、下請けの仕事と自分で取った仕事が半々くらいでした。
そこから一般家庭への営業、不動産関係への営業、人とのつながりを増やすことなどを続けていきました。
そして約2年後には、自分で取った仕事だけで100%を構成できるようになりました。
振り返ると、何か一つの集客方法だけで一気に変わったわけではありません。
チラシだけでもありません。営業だけでもありません。一件の仕事をきっちりする。紹介してもらう。名刺を渡す。仕事仲間を増やす。
そうした小さな積み重ねで、少しずつ「自分のお客様」が増えていきました。

下請け脱却のよくある質問(FAQ)
Q1. 下請けはすぐ全部やめたほうがいいですか?
Q2. 直請けが何割になれば下請け脱却できますか?
Q3. 営業が苦手でも下請け脱却できますか?
Q4. 法人営業と一般家庭はどちらから始めればいいですか?
Q5. 下請け単価が安い場合は値上げ交渉してもいいですか?
まとめ|下請け脱却は自分の仕事を増やした結果として進める
下請け脱却というと、「元請けとの取引を全部やめること」と考えがちです。でも、私はそうではないと思っています。
自分の仕事を増やした結果、下請けに頼らなくても経営できるようになる。
これが一番自然です。
私自身も、独立当初は下請けと自分の仕事が半々くらいでした。
そこから少しずつ自分のお客様を増やし、約2年後には自分の仕事だけで回せるようになりました。
今のあなたが下請け中心でも、まずは月1件でも直請けを増やすところからで構いません。
1件が2件になり、2件が5件になり、そのお客様から紹介やリピートが生まれてくると、少しずつ下請けへの依存度を下げられます。

\ハウスクリーニング独立のリアルを知りたい方へ/

下請け脱却を考えている方の中には、「そもそもハウスクリーニングで独立して、この先どれくらい稼げるのか」「仕事を安定させるには何が必要なのか」と気になっている方もいると思います。
私自身、大手清掃会社で14年間働いたあと、42歳で独立しました。
現場経験はありましたが、独立すると集客、見積もり、請求、トラブル対応まで、すべて自分で判断する必要があります。
これから独立する方には、いい部分だけでなく、こうした現実も知っておいてほしいと思っています。

私が実際に経験してきた売上、初期費用、独立後に苦労したことなどもまとめています。これから独立する方や、今の働き方を見直したい方は一度読んでみてください。『ハウスクリーニング独立の現実|年収・費用・失敗例を現役業者が解説』を詳しく見る
【この記事を書いた人】

清掃業歴25年以上、累計10,000件以上の現場を経験。
大手清掃会社に14年間勤務し、現場作業、スタッフ育成、顧客対応などを経験しました。
42歳で独立後は、住宅・オフィス・店舗などの清掃を中心に活動しています。
このブログでは、ハウスクリーニングの独立、集客、道具、現場で起きたトラブルなどを実体験に基づいて発信しています。
詳しいプロフィールはこちら

