ハウスクリーニングで独立・開業したばかりの方からよく聞く悩みがあります。

- 「開業届は出したけど、そこからどうしたらいいのかわからない」
- 「思ったよりお客さんが増えなくて不安…」
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「営業が苦手で、なかなか行動に移せない」

このような悩みにお答えします。
上記の悩みは開業したての人の多くがぶつかる壁です。
しかし、実際には最初にやるべきことを押さえて行動すれば、少しずつお客様は増えていきます。
この記事では、ハウスクリーニング開業直後にやるべきことを、具体的かつ分かりやすくまとめて解説します。
最初の一歩をどう踏み出せばいいのかを知りたい方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
【この記事で分かること】
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開業したことを知らせる大切さが分かる
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最初は身近な人へのお知らせから始める重要さが分かる
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営業ではなく「具体的なアピール」と「お知らせ活動」が効果的なこと
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地域密着・他業者応援・信頼関係づくりが成功のカギであること
開業したらまず「知らせる」ことから始めよう
開業届を出すだけではお客さんは来ない
ハウスクリーニングで独立を決意すると、まず最初に行うのが「税務署への開業届の提出」です。
これは事業を正式に始めるために欠かせないステップであり、法的にも必要な手続きです。
しかし、ここで勘違いしやすいのが「開業届を出せば自然とお客さんが集まってくる」という考え方です。
実際には、開業届はただのスタートラインに過ぎません。書類を提出しただけでは、あなたが掃除のプロとして活動していることは世間に一切伝わらないのです。
お客様から依頼をいただくためには、「自分が掃除屋として独立した」という事実を周りに知らせ、認知してもらうことが何よりも大切です。
どれほど高い技術や熱意を持っていても、それを知っている人がいなければ存在しないのと同じ。
近所の誰かが「エアコンの掃除を頼みたい」と思っても、あなたのことを知らなければ他の業者に流れてしまいます。
つまり、ハウスクリーニングで開業したら「開業届を出す」だけでは不十分。
「知らせる活動」こそが、本当の意味での第一歩となるのです。
最初は身近な人に伝える
では、最初に知らせるべき相手は誰か?答えはシンプルで「身近な人」です。
全国に向けて宣伝する必要はありません。むしろ開業直後に大規模な広告を打っても、費用がかかるばかりで効果は限定的です。
それよりも、家族・親戚・友人・知り合いといった身近な人に「掃除屋を始めました!」と伝えることが一番効果的です。
実際、ハウスクリーニングを開業した方の多くが、最初の仕事を知り合いや家族から依頼されています。

独立祝い代わりにお願いしてみようかな

せっかくなら知り合いに頼んで応援したい
こうした気持ちで依頼してくれるケースは非常に多いのです。
そして、この「最初の依頼」がとても重要です。
なぜなら、ここから口コミや紹介が広がっていくからです。
たとえば、親戚がエアコンクリーニングを頼んで「良かったよ」と別の知人に話せば、それが次の依頼につながります。
友人がレンジフード掃除をお願いして満足すれば、その友人の同僚や家族にも話が広がっていきます。
つまり、身近な人から始まった小さな依頼が、やがて大きな信頼と仕事の広がりを生み出すのです。
最初から「知らない人に営業しなきゃ」と考えるとハードルが高くなりがちですが、身近な人への「お知らせ」なら気軽に始められます。
まずは近しい人たちに、「自分は掃除屋として独立した」としっかり伝えることから始めましょう。

開業前の準備について詳しく知りたい方はこちら
👉 ハウスクリーニングの開業で失敗しないための5ステップ徹底ガイド
「掃除できます」では弱い
ハウスクリーニングを開業したばかりの方がやりがちなのが、単に「掃除できます」「ハウスクリーニングやってます」とだけ伝えてしまうことです。
もちろん嘘ではありませんし、事実を伝えているのですが、この言葉だけでは相手の心に残りにくく、依頼につながりにくいのが実情です。
なぜなら、聞き手にとって「掃除できます」という情報は抽象的すぎるからです。
何がどう解決できるのか、どんな人に向いているのかがイメージできないため、「へえ、そうなんだ」で会話が終わってしまう可能性が高いのです。
そこで大切なのは、相手にとっての具体的なメリットを添えて伝えることです。
例えばエアコンクリーニングなら、ただ「エアコン掃除できます」と言うのではなく、

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「エコ洗剤を使用してカビの臭いを分解洗浄でしっかり除去できます」
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「小さなお子さんがいる家庭では、エアコン内部のカビが喘息やアレルギーの原因になるので、早めに洗浄しておくと安心です」
といったように、その掃除がもたらす効果や安心感を具体的に説明します。
こうすることで聞き手は「自分にも必要かもしれない」と想像しやすくなり、記憶にも残りやすいのです。
つまり、単なる「作業の説明」ではなく、「相手の生活にどんなメリットがあるのか」を伝えることが、依頼につなげる大きなポイントになります。
紹介をお願いするときも「誰に役立つか」を明確に
もう一つよくあるのが、知り合いに「誰か紹介してください」とだけお願いしてしまうケースです。
しかし、これも漠然としすぎているため、相手の頭に浮かぶ人がいないまま話が終わってしまうことがほとんどです。
ここでも大切なのは、「どんな人に特に役立つのか」を具体的に示すことです。
例えば、

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「小さい子どもがいる家庭におすすめです。エアコンのカビや浴室のカビ対策は特に効果的ですよ」
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「飲食店や美容室など、油汚れやホコリで換気扇が詰まりやすい業種のお客様にはとても喜ばれます」
といったように対象を絞って伝えると、聞き手は「そういえば、妹の家に小さい子がいる」「友達が美容室をやっていたな」と具体的な人物を思い出しやすくなります。
紹介が生まれるかどうかは、「相手が頭の中で誰かを思い浮かべられるか」にかかっています。
だからこそ、依頼してほしい人のイメージを相手に描いてもらえるように話すことが重要です。
結果的に、紹介の可能性は格段に高まりますし、その後の成約率も上がります。

紹介を増やすヒント、こっちに揃えてありやすよ。
👉 ハウスクリーニングの仕事を紹介してくれる人の増やし方
大手と戦わず「地域密着」で勝つ
ハウスクリーニング業界には、大手の清掃会社やフランチャイズチェーンが数多く存在します。
テレビCMやネット広告に莫大な予算を投じ、知名度や信頼感で勝負している企業に、開業したばかりの個人が正面から挑むのは現実的ではありません。
しかし、これは決して不利な状況というわけではありません。なぜなら、個人や小規模業者には「地域密着」という強みがあるからです。
たとえば、自分が住んでいる町や市に限定すれば、「知っている人が一番多い業者」になることは十分可能です。
大手業者は全国規模で展開しているため、個別の地域で「顔が知られている存在」になるのは難しいのです。
逆に、地域に根差した小さな業者なら、口コミや紹介を通じて「地元で一番頼られる掃除屋」になれるチャンスがあります。
地域の人に「掃除のことなら○○さんに頼めば安心」と思ってもらえること。これこそが安定した依頼につながる最大のカギであり、長く仕事を続けるための土台となります。
「営業」ではなく「お知らせ」
ここで勘違いしやすいのが、「地域に浸透するには営業活動をしなければならない」という考え方です。
もちろん積極的に仕事を取りに行く姿勢は大切ですが、開業直後に必要なのは本格的な営業ではありません。
大切なのは、「営業活動」ではなく「お知らせ活動」です。
具体的には、無理に売り込むのではなく、ただ「掃除屋をやってます!」と素直に伝えていくことです。
チラシを配る、挨拶の際に話す、SNSで発信する――こうした小さな「お知らせ」を積み重ねていくことで、少しずつ地域の人の頭の中に「掃除=あなた」というイメージが植え付けられていきます。
ポイントは、「今すぐ仕事につながらなくても構わない」という気持ちで行うことです。
お知らせを続けていれば、数か月後や数年後に「あ、そういえば掃除屋を始めた○○さんがいたな」と思い出してもらえる瞬間が必ず訪れます。
つまり、お知らせ活動は未来の依頼をつくる種まきなのです。
焦らず、コツコツと地元に根を張るように取り組むことで、やがて花が咲くように仕事が安定していきます。
仕事が少ない時期は「他業者の応援」に入る
マッチングサイトを活用する
ハウスクリーニングで独立開業したばかりの頃は、まだ知名度も口コミも少ないため、仕事が安定しないのはごく自然なことです。
「せっかく開業したのに依頼が少ない…」と焦ってしまう方も多いですが、それは決して失敗ではなく、ほとんどの人が通る成長の過程です。
そんなときにおすすめなのが、「他の業者さんの応援」に入ることです。
つまり、自分でお客様を見つけるのではなく、すでに案件を抱えている業者のサポートに入るという働き方です。
こうした協力関係を築くのに便利なのが、「ツクリンク」などの業者向けマッチングサイトです。
これらのサイトでは「人手が欲しい」と投稿している業者を簡単に探せるため、未経験者でも比較的スムーズに現場に参加できます。
自分から「応援できます」と発信してつながりを作るのも効果的で、そこから長期的な協力関係に発展することも珍しくありません。
応援で得られるメリット
他業者の応援に入ることは、単なるアルバイト的な働き方にとどまりません。むしろ、独立したての時期には大きな学びと成長のチャンスとなります。
具体的には以下のようなメリットがあります。
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現場経験が増える
開業直後は自分の案件が少なく、経験を積みにくい時期です。応援で多様な現場に参加することで、短期間で豊富な経験を得られます。 -
プロの技術を学べる
先輩業者の作業を間近で見ることで、教科書や動画では学べない実践的な技術やコツを吸収できます。これは独学だけでは得られない大きな財産です。 -
他業者とのつながりができる
応援に入ることで自然と人脈が広がります。信頼を得れば「また手伝ってほしい」「今度は一緒に仕事をしよう」と声をかけてもらえる可能性も高まります。 -
報酬を得ながらスキルアップできる
学びながら収入も得られるのが応援の魅力です。経験を積みつつ生活の安定も図れるので、独立初期の不安を和らげてくれます。
こうした応援経験は、決して無駄になりません。むしろ、将来的には自分の案件に活かせる知識や技術となり、仕事の幅を広げる土台となります。
独立して「自分一人で頑張らなきゃ」と思い込む人もいますが、最初からすべてを一人で抱える必要はありません。
仲間の力を借りながら経験を積むことが、長く続けられるハウスクリーニング業者になる近道なのです。
まず「与える」ことから始める
ハウスクリーニングの仕事を長く続けていくために欠かせないのは、リピートや紹介といった「つながりから生まれる依頼」を増やすことです。
そのためには、単に技術が優れているだけでは不十分で、「この人にお願いしたい」「この人にまた来てもらいたい」と思ってもらえる存在になることが重要です。

じゃあ、どうしたらそう思ってもらえるんですかね?

答えはシンプルで、まず相手に与えることから始めたらいいよ。
人は、自分にメリットを与えてくれる人に対して好意を抱きやすい傾向があります。
逆に、最初から「何かを得よう」という姿勢で接してくる人に対しては警戒心が働きます。
だからこそ、最初の一歩は「相手に喜んでもらえる行動」を意識することが大切です。
例えば次のような小さな心がけでも、相手の印象は大きく変わります。
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訪問時に役立つ情報を持っていく
たとえば「エアコンを長持ちさせる日常的なお手入れ方法」や「梅雨時に浴室のカビを防ぐコツ」といったちょっとしたアドバイスを伝えるだけでも、お客様にとっては大きな価値になります。 -
ちょっとした気配りを忘れない
作業をする際にスリッパを持参する、作業後に小さなゴミまできちんと片付ける、終了後に「今日は暑かったのでお体に気をつけてくださいね」と一言添える。そんな気遣いは相手の記憶に強く残ります。 -
感謝の気持ちをきちんと伝える
「今日はご依頼いただきありがとうございました」と心を込めて伝えること。シンプルですが、これができるだけで「またお願いしよう」という気持ちが生まれやすくなります。
こうした与える姿勢は、営業テクニックというより「人としての基本的な礼儀」に近いものです。
しかし、この小さな積み重ねこそが信頼関係を築き、長期的に依頼を増やしていく最短ルートなのです。
下心は逆効果
逆に注意しなければならないのが、「紹介してほしい」「情報が欲しい」という下心を前面に出してしまうことです。

クレクレ君になってはいけないってことです。
もちろん、紹介や情報はビジネスを拡大するうえで重要です。
しかし、それを最初から求めすぎると、相手に「利用されている」と感じさせてしまい、距離を取られてしまいます。
人は「奪おうとする人」よりも「与えてくれる人」に自然と心を開きます。
だからこそ、訪問や交流の際は「この人に何をお願いできるか」ではなく、「この人に何を渡せるか」「どうすれば喜んでもらえるか」を考えて行動することが大切です。
不思議なことに、こうした「与える姿勢」で接していると、結果的に紹介や情報は自然と集まってきます。
相手があなたに信頼を寄せて「この人を応援したい」と思ってくれるからです。
つまり、短期的に利益を得ようと下心を見せるのではなく、長期的に信頼を築くことを意識する。
これが、ハウスクリーニング業者として愛され、長く選ばれるための最大の秘訣なのです。
まとめ 開業直後は「知ってもらうこと」から始めよう
ハウスクリーニングを開業した直後にやるべきことを整理すると、以下の5つです。
- 身近な人に開業したことを知らせる
- できることを具体的にアピールする
- 地域で「知っている人No.1」を目指す
- 仕事が少ないときは他業者の応援で経験を積む
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相手が喜ぶ行動をして信頼関係を築く
大切なのは「難しい営業」ではなく「お知らせ活動」。
まずは知ってもらうことから始め、そこに「喜ばれる行動」を積み重ねていけば、自然と紹介やリピートに繋がります。
開業直後は不安が多いですが、一歩ずつ確実に進めていけば、必ず仕事は増えていきます。

ぜひ今日から、身近な人への「お知らせ」から始めてみてくださいね。
この記事を書いた人

清掃業歴20年以上、10000件以上の現場経験あり。
住宅からオフィスまで多様な現場で実績を積んできたヒデです。
42歳で独立し、開業準備から営業・税務・顧客対応まで経験しました。
このブログでは、独立ノウハウや集客術、現場トラブル解決法を一次情報として発信し、同じ道を目指す方への実践的な指針を提供しています。